FC町田ゼルビアが3-1で連覇を狙ったヴィッセル神戸を下し、初優勝を果たした。FW藤尾翔太が2得点、FW相馬勇紀もゴールを奪い、力で“ラスボス”をねじ伏せた。
神戸の出足を強度の高い攻守で封じ、前半6分に幸先良く均衡を破った。クリアボールを拾ったMF中山雄太が左サイドからドリブルで持ち上がりクロスボールを送ると、ゴール前でGK前川黛也と競り合いながら藤尾がヘディングシュート。浮いたボールはワンバウンドしてインゴールへと飛び込み先制点となった。
前半32分には中盤のこぼれ球を拾った藤尾がFWデュークへつなぎ、左サイドを走る相馬へスルーパス。スピードに乗った相馬はドリブルで左前方へ抜け出し、冷静に左足でゴール右隅へ蹴り込んだ。
後半11分には、MF林幸多郎のパスを受けた藤尾が左足の弾丸ミドルシュートを豪快に突き刺した。3-0とリードを広げた。同17分には神戸FW宮代大聖にヘディングで1点を返されたが、ここから自慢の守備ではね返す。FW大迫勇也を擁する神戸に押し込まれたが、5バックとなって耐えた。
試合終了のホイッスルは、新時代の幕開けを告げるものだった。DF昌子源が「ラスボス」と例えた神戸を下しての優勝。105回目を迎えた伝統の大会で、新たなチャンピオンの誕生となった。
そして青森山田高から町田に来て3年目、黒田剛監督がプロでも結果を出した。高校サッカーではインターハイ2度(05、21年)、全国選手権3度(16、18、21年度)の優勝。21年度にはインターハイ、プレミアリーグEAST、全国選手権の3冠に輝き、28年の指導で常勝軍団を作り上げた。その黒田監督にとって相性のいい国立で、再び歓喜を爆発させた。
親会社のサイバーエージェントの藤田晋社長が、クラブの代表取締役兼CEOに就任したことで町田は急成長を遂げた。23年にJ2を独走しての優勝。24年の昨季はJ1初挑戦ながら優勝戦線に絡み3位でフィニッシュ。アジアチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)への出場権を獲得した。そして3年目となった今季はリーグ優勝の可能性は消滅した中、天皇杯をつかみ取った。今後へつながる大きな初タイトルを手にした。
◆FC町田ゼルビア 1989年(平元)創設。クラブ名の由来は、町田市の樹であるケヤキの英語名「ZELKOVA(ゼルコヴァ)」と町田市の花である「SALVIA(サルビア)」を合わせた造語。代表取締役社長兼CEO藤田晋。本拠地は町田GIONスタジアム(1万5320人収容)。



