ヴィッセル神戸が激闘の末にアルサド(カタール)を下し、悲願のアジア制覇に1歩近づいた。
神戸は11日の名古屋グランパス戦で頭同士ぶつかって救急搬送されたDFマテウス・トゥーレル、担架で運ばれたGK前川黛也が先発。DF酒井高徳、MF武藤嘉紀、MF佐々木大樹、FW大迫勇也といった今季離脱していた選手も先発し、ベスト布陣と呼べるメンバーで試合に臨んだ。
11年のACL王者のアルサドは、120分を戦った決勝トーナメント1回戦から中2日ながらも、ロベルト・マンチーニ監督は前回大会MVPの元ブラジル代表MFフィルミーノ、カタール代表FWアフィフ、モロッコ代表DFサイスらを先発起用して試合に入った。
先にスコアを動かしたのはアルサドだった。前半6分、アフィフのラストパスからFWムジカが右足で鋭いシュート。これがニアを打ち抜き、高速カウンターで一気に神戸ゴールに迫ったアルサドが先手を取った。
神戸は立ち上がりこそアルサドの圧力を受ける場面が続いたが、徐々に落ち着きを取り戻して主導権を握り返す。同9分に大迫のキープからMF井手口陽介が惜しいシュートを放つなどアルサドゴールを脅かす。
同24分、右サイドで受けた酒井が鋭いクロスを送ると、ゴール前でフリーになった大迫がヘディングで合わせる。ゴール右を狙ったシュートは相手GKに触れられるも、勢いが勝ってゴールに吸い込まれ、試合を振り出しに戻した。
後半に入っても神戸は前線からのプレスでセカンドボールを拾い、攻撃につなげる流れに持ち込んだが、同13分に武藤が右サイドを抜け出した場面ではラストパスが合わず。その後も主導権を握って試合を進めたものの、一気に流れををひっくり返されることとなった。
同16分、アルサドはゴール前に入れた浮き球をフィルミーノが胸でパス。これをムジカが右ボレーで決めて再びリードを奪うと、その4分後には左に抜けたムジカからのクロスをフィルミーノが合わせて3点目。個の力を生かしてリードを広げた。
それでも神戸はここで終わらなかった。同29分にロングボールの競り合いから途中出場のFW満田誠、FWジェアン・パトリッキがつなぎ、井手口が決めて1点差とする。さらに同アディショナルタイム3分、MF浜崎健斗からのパスを受けたDF広瀬陸斗がクロスを入れると、ニアに走り込んだ武藤が頭で決めて劇的同点弾。土壇場で追い付いた。
延長ではGK前川がスーパーセーブを連発。延長前半13分に許したヘディングシュートを右手指先ではじき、延長後半1分と10分の決定機も体を張って守り切ってPK戦に持ち込んだ。
PK戦でアルサドが3人目で失敗したのに対し、神戸は5人全員が成功。最後はJパトリッキが冷静に決めて、5大会ぶり4強入りを果たした。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選出された武藤は「素晴らしい相手で、本当に自分たちよりも技術もしっかりしていてタフな相手だった。大きな勝利を成し遂げられて良かった」と喜びを語り、後半アディショナルタイムの同点ゴールには「足もつっている状態だったが、最後まで諦めなかったことが最後のゴールにつながった」と話した。



