女子クライミング界の第一人者の必需品は、クライミングウォール(壁)に似た髪留めだった。プロフリークライマーの野口啓代(28=茨城県連盟)が1日、都内で行われた記者会見に出席した。
日本代表の公式ユニホームで登場した野口は、長い髪の毛を四角や丸の突起物がちりばめられた“ウォール風髪留め”でまとめていた。「意識したわけではないですが、確かに付いているものがホールド(=手足をかける突起物)っぽいですね。お気に入りの1つでずっと使っています」と説明した。約1年前に美容室で購入し、試合以外の日は意識して使っているという。
小5で競技を始め、父が営んでいた茨城県龍ケ崎市の牧場が練習拠点だった。牛舎を改造した壁でトレーニングに励み、牛とともに育った。牛乳は1日最低でも1リットル飲んで粘り強い肉体をつくった。165センチ、49キロの引き締まった美肉体で、50キロの握力を持つ。
大学1年の時、W杯で日本女子として初優勝を飾り、プロとして本格的に活動するために大学を中退。これまでボルダリングのW杯で年間総合王者に4度輝いた。しかし、当時は五輪競技でもなく一時は引退も考えたが、20年東京五輪の新競技にスポーツクライミングが選ばれて踏みとどまった。同五輪ではボルダリング、スピード、リードの複合形式で行われるため、野口は現在、最も不得意とする「スピード強化」に力を入れている。「今シーズンが終わったら、五輪の選考大会が始まる。そう考えると時間はない。世界選手権や五輪で勝つためのスピード強化をしたい」。
次戦はボルダリングのジャパンカップ(3~4日、東京・駒沢屋内球技場)に出場する。昨年は11度目の優勝を狙ったが、伊藤ふたば(15)に敗れた。「シーズンの良い励みになるので目指すはもちろん優勝」と意気込んだ。


