【ソルトレークシティー=矢内由美子】女子1500メートルで世界記録保持者の高木美帆(25=日体大助手)は1分51秒58で4位だった。高木菜那(27)は自己ベストの1分52秒72で8位になり、女子マススタートでは4位。また、男子1500メートルで一戸誠太郎(24)が1分42秒36の日本新記録をマークして6位になった。大会はこの日で全日程を終え、日本勢のメダルは金2、銀1、銅2。メダル総数は昨年と同じだが金メダルが1つから2つに増え、男子が7年ぶりにメダルを獲得した。

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中距離のエース高木美が肩を落した。自身がこのリンクで昨年3月に出した1分49秒42の世界記録より2秒以上遅いタイムでまさかの4位。「100%を出し切れれば負けても結果を受け入れられるが、モヤモヤが残る。今、めちゃめちゃ苦い汁を飲んでいる」。そう言って表情を曇らせた。女子1500メートルは17、19年世界距離別選手権、18年平昌五輪と3年連続でメダルを獲得してきた最も得意な種目。表彰台を逃したのは8位だった16年以来だ。

今季はスケート人生で初めて「プレッシャーのかかった状態で順位(優勝)を狙う」ことを目標に掲げ、あえて口にも出してきた。そのターゲットが今大会だった。コンディショニング自体は成功したが、体が軽く感じる分、力任せの滑りになった。ただ、優勝したブスト(オランダ)のタイムは1分50秒92で、高木美が持つ世界記録は破られていない。「熱が冷めないうちにコーチ陣と話し合いたい」と課題の検証に乗り出した。