女子50メートル背泳ぎS5(運動機能障害)で成田真由美(48=横浜サクラ)が47秒76をマークし、世界選手権派遣標準記録をクリアした。

「この1年間、48秒台が続いていたので…。初日に突破できて明日はリラックスしてレースに臨めます」。パラリンピック5大会出場で金メダル15個の“水の女王”に柔らかい笑みが浮かんだ。リオデジャネイロで46秒74の日本記録をつくり、翌17年7月にベルリンで47秒81を記録して以来の会心の泳ぎだった。

昨年末からの冬場の泳ぎ込みで「ダブルパラシュート」という練習を取り入れた。文字通り、2つのパラシュートを水中で引っ張りながら泳ぐ過酷なメニューを日によって50メートル×20本、1600メートルとこなしてきた。「苦しくて涙が出るとき、自分を超えられたと思えるんですよ。新しいメニューを考えてくれるコーチに感謝します」。ベテランはまだまだ進化を続けている。