政府、東京都、大会組織委員会、国際パラリンピック委員会(IPC)による4者協議が16日夜に行われ、24日開幕の東京パラリンピックが全会場で無観客開催となることが決まった。一方、学校連携観戦は行うことも決定。共生社会実現に向けた教育的要素が大きいことを理由に保護者等の意向を踏まえ、自治体や学校設置者が希望する場合に実施する。

オンラインで参加した東京都の小池百合子知事(69)は協議後に都庁で取材対応。「無観客になるということは大変つらいものもありますけれど、しかしながら安全安心な開催をしてこそということでありますので、今日の協議の結論について東京都としても賛同したところであります。かねてからパラリンピックの成功なくして東京大会の成功はないと申してまいりました。世界で初めて、2回目となる夏季のパラリンピックを開催する都市であります。東京として大会を成功に導いて、多様性と人権尊重の理念を社会に根付かせる、それを大会のレガシーとしてまいりたいと考えております」。以前からパラアスリートの試合会場などに足を運ぶなど尽力してきただけに、無念さをにじませた。

学校連携観戦については、安全面を考慮して学校と競技会場間を専用バスで往復する意向だ。

「輸送の移動手段としてバスを活用するとか、観客席などでディスタンスを確保するなど、まさに高校野球をやっていて、いろいろな工夫をしてやっておられるじゃないですか。それなども参考にしながら、きめの細かい調整を行っていくということになります」

現在、甲子園で開催されている全国高校野球選手権での感染拡大防止対策なども参考にする意向を示した。

あくまでも希望校、希望者を対象とするため、意向調査も含めて、今後の詳細を固めていく。都の担当者も「どこの区、学校が、どこのセッションに行くかも決めていかないといけない。輸送時間も考えて、安全なところということにもなりますし。場所が地元に競技場があるとかそれぞれ状況も違いますので、それぞれごとに丁寧にご相談していくことになります」と説明した。【鎌田直秀】