24日に開幕する東京パラリンピックが全会場で無観客開催となることが16日、都内を中心に行われた国際パラリンピック委員会(IPC)と東京都、大会組織委員会、政府による4者協議で決まった。会場がある都、埼玉、千葉は緊急事態宣言が発令中。静岡も緊急事態宣言を要請している現状を踏まえて決定した。

新型コロナウイルス感染拡大は東京都の小池百合子知事も「災害級」とみている現状だが、組織委の橋本聖子会長は協議で「中止についての議論はありませんでした」と明かした。一部の専門家から、五輪が生み出した人流が感染拡大につながった可能性もあるとの見方もある。橋本氏は「無関係だとは思っていません」と前置きした上で「1都3県の知事の皆様に、無観客だが、パラ開催を支持していただいた。連携をとりながら、万全のコロナ対策を講じていきたい」と、パラ開催への理解を求めた。

一方、組織委の武藤敏郎事務総長によると、パラ関係者のワクチン接種率については「把握しません」と明かした。コロナ対策として、東京大会ではワクチン接種を推奨し、大会関係者への無償提供を行っている。把握できていない状況を不安視する指摘には「五輪選手とは事情が違うので、ワクチンを打てない方もいる。IPCも把握できていない」と説明した。

会場は無観客の一方で、共生社会実現に向けた教育的見地などから学校連携観戦は実施する。橋本氏は「今回1都3県の知事から、五輪以上に強い希望があった。万全な感染対策をしっかり講じて、ご理解を得たい」と話した。【近藤由美子】