女子タイムトライアル(運動機能障害C1~3)で、初出場の杉浦佳子(50=楽天ソシオビジネス)が金メダルを獲得した。

8キロのコースを2週してタイムを争うレース。中間地点で2位に約21秒差をつけると、後半も力走。ゴール地点では、さらに差を1秒広げて25分55秒76のトップタイムでフィニッシュした。

トラック競技の2種目ではメダルを逃し、「ロードでは見てろよ」と挑んだレースで宣言通り雪辱を果たした。地元静岡での快挙で、夏冬のパラリンピックを通じて日本人最年長金メダルに輝いた50歳は「(最年長は)ちょっと恥ずかしい。まだ実感は湧いていないけど、これで応援やサポートをしてくれた方々に恩返しができたと思う」と、笑顔で話した。

 

◆杉浦佳子(すぎうら・けいこ)1970年(昭45)12月26日、静岡県掛川市生まれ。掛川西-北里大薬学部。卒業後は薬剤師として働きながら趣味でトライアスロンの大会に参加していたが、16年4月のロードレース中に転倒。高次脳機能障がいと右半身にまひが残った。17年にパラサイクリングに転向。主な成績は17年世界選手権タイムトライアル、18年世界選手権ロードレースで優勝。156センチ。

◆自転車競技(ロード)の個人ロードタイムトライアル 出場選手が1人ずつ出走してゴールタイムの速さを競う種目。一般的なロードレースが一斉スタートで行われ、チーム単位の戦略と戦術、また選手間の協力や駆け引きがレース展開を左右するのに対し、個人の走力を競う。女子個人の運動機能障害のクラスは、1周8キロのコースを2周する16キロで争われた。