25日の女子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S2)で日本史上最年少メダルとなる銀メダルを獲得した山田美幸(14=WS新潟)が、50メートル背泳ぎ(同)決勝で1分6秒98で銀メダルを獲得した。

スタートから飛ばし、ラストで逆転負け。100メートル背泳ぎに続く50メートルの銀メダルにも、山田の表情は浮かなかった。「100メートルは予選3位で銅メダルを狙って銀だから、うれしかった。でも(予選1位の)今日は金メダルを目指しての銀なので悔しい」と話した。

またイップ(シンガポール)に敗れた。長さの違う左右の脚を巧みに使って泳ぐ山田に対し、イップは脚を使えず両手を豪快に回して泳ぐ。ゴール前で抜かれたことは水しぶきで分かった。「ゴールした直後、次は勝ちたいと思った」。負けん気が頭をもたげた。

それでも、14歳の夏休みは最高だった。「水泳をやっていなければ、経験できないこと。楽しめました」と笑顔で言った。大会前は「取れるとも思っていなかった」メダル、しかも銀を2個お土産にした。「取ったからこそ、重さが実感できました」と笑った。

まだ14歳、次のパリは3年後で17歳だが「その年は(大学)受験があるので、両立しないと」と中学生の顔をみせた。家族ら多くの人に支えられ、応援され、たどり着いたパラリンピックの大舞台。苦しいこと、悔しいこともあったはずだが、最後は「楽しかった」と、最高の笑顔で言った。