新種目の混合400ユニバーサルメートルリレーで、日本(沢田、大島、高松、鈴木朋)で日本は銅メダルを獲得した。19年4月から強化を担ってきたのは、高野大樹コーチ(32)だ。「第一条件はゴールすること。目標をクリアできたことがゴールにつながった」。繰り上がりの形だが、この目的意識の共有がメダルにつながった。

高野コーチが教えているのは、ユニバーサルリレーだけでない。実は多士済々の顔ぶれを指導をしている。男子100メートルで9秒95の日本記録を持つ山県亮太(29=セイコー)、女子100メートル障害で12秒87の寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)、女子走り幅跳びなどで3大会連続パラリンピック出場の高桑早生(29=NTT東日本)らだ。

同リレーは視覚障害、義足または機能障害、脳性まひ、車いすの順に4人が100メートルずつ走る。バトンは使わず、タッチで次の走者につなぐ。リレーといえば、日本はバトンワークを武器にするが、「タッチワーク」も精密さを追求した。

予選から映像やデータを分析。「タッチワーク」では、次走者がスタートを切る目安とする前走者の通過位置を予選から変更。1走から2走は1足長、2走から3走は0・5足長伸ばし、3走から4走は0・5足長縮めた。バトンと比べれば、タッチは繊細な調整が必要ないようにも思えるが、日本らしさ細部の調整はユニバーサルリレーにも存在していた。