今年最初のG1全日本選抜は、中川誠一郎が単騎で逃げ切り、KEIRINグランプリ(GP)一番乗りを果たしました。

別府競輪場では今年7月にはサマーナイトも開催されます。

新築のホームスタンド内。下では多くのファンが車券を購入していました
新築のホームスタンド内。下では多くのファンが車券を購入していました

G1のためにホームスタンドはきれいに建て替えられていました。初めてのG1開催を見に来た家族連れや若い人も。きれいなスタンドなら、入りやすそうですね。

別府競輪場正門の向かいにある競輪温泉
別府競輪場正門の向かいにある競輪温泉

正門前には競輪温泉という温泉があり、今開催中は無料で入浴できたそうです。サマーナイトでも、ぜひ足を運んでください!

さて、別府では4日間、車券が当たらず、苦しみました…。

最終日に1着を取り、胸を張って引き揚げてきた大塚健一郎
最終日に1着を取り、胸を張って引き揚げてきた大塚健一郎

とはいえ、この人の苦しみに比べたらたいしたことではありません。大塚健一郎は「選考期間中も期間外でも、精神的なプレッシャーがありました」と吐露。別府競輪で初めてのG1開催、さらに、地元はたった1人。そんな重圧の中、最終日に1着をつかむと、まるで優勝したように感情を爆発させました。

ゴール後にこん身のガッツポーズを繰り出し、観客にヘルメットも投げ入れ「オニアツ!」と何度も絶叫。そしてファンの前に立つインタビューでは思わず涙ぐんでいました。

大塚にとって、地元G1は一つの節目。「第1の競輪人生は折り返したので、ここでもう1度、という気持ちです。こだわり続けたマーク道で、レースを壊して車券で迷惑をおかけしたこともあったと思う。でも、それはマーク屋として日本一にこだわってのことなので。ここからまた、マーク道を進んでいきたい。それができなくなれば看板を下ろします」。

単なる「追い込み」ではなく、自らを「マーク屋」と言う選手には誇りがあります。最も強い先行の番手を競りに行く、今のスピード競輪で前と離れる可能性が高まる競りは、得策ではないのかもしれません。まして落車はファンの車券を紙くずにする可能性もある。大塚はそれをわび、覚悟した上で、それでも生き様としてマーク道を究める決意を決めた、そう感じました。

決勝で期待した吉沢純平は、中川の番手にはまりましたが、伸びを欠いての3着。番手にはまる展開は想定していましたが、逃げた相手が強かった。当てられず申し訳ありません。私は折り返すどころか、一から出直しです。【山本幸史】