中部が誇るパワフル先行型が、ついに栄冠をつかんだ。2周半先行に出た竹内雄作(28=岐阜)が、逃げ切りでG2を初制覇。陸上の短距離選手から転身したハングリー男が待望のビッグタイトルを手に入れた。2着は前年覇者の神山雄一郎が入り、園田匠が3着。竹内の番手を回った浅井康太は平原康多を落車させ失格となった。
富山バンクに吹き荒れた強風が、竹内の強さを際立たせた。残り2周半。駆けると決めていた青板バックから先頭に躍り出ると、無我夢中でペダルをこいだ。「浅井さんを信じて走るだけだった。ペース配分も考えず全力で走った」。1着かどうかもわからず、ゴール後にはけげんそうに後ろを振り返ったほど。表彰式を終えても「まだちょっと頭は真っ白ですね。実感は全然ない」と涙をこらえながら話した。
会見では何度も師匠の山口富生(46=岐阜)への感謝を口にした。自転車競技歴はゼロ。大学までは陸上の短距離に打ち込んだ。大学卒業後、適性で99期生に合格。「師匠にはアマのときからお世話になった。自分はモノを扱うのが得意じゃなかったので、師匠から『体の一部になるくらい乗れ』と言われていました」。
4日間、最終バックを先頭で通過。パワーを生かした持ち味は師匠仕込みだ。「まだ通過点という感じ。師匠は(G1)タイトルホルダーなので、早く師匠に追い付きたい」。恩返しはまだ道半ばだ。
懸命の援護で失格となった浅井は「若い子が優勝して良かった。今後の中部を背負う人間。自覚を持ってレースをするだろうから」と期待を口にした。本人も「自分はまだ浅井さんや深谷(知広)君のところに行っていない。早く追い付きたい」と言い切った。浅井を主軸とする新時代の中部王国は竹内が文字通り引っ張っていく。【山本幸史】
◆竹内雄作(たけうち・ゆうさく)1987年(昭62)9月29日、愛知県知多郡阿久比町出身。11年1月、競輪学校99期生としてプロデビュー。通算成績は485戦209勝。通算獲得賞金は1億7478万6700円。趣味はスポーツ、映画観賞。165センチ、83キロ。血液型はO。





















