単騎の古性優作(30=大阪)が、21年輪界のヒーローになった。最終2角4番手まくりで初出場制覇を成し遂げ、大逆転で賞金王の座を射止めた。

大阪勢のGP制覇は史上初で、10例目(9人目)の年間獲得賞金2億円も達成した。人気を集めた平原康多(39=埼玉)は2着。3着には郡司浩平(31=神奈川)が入った。


KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする古性優作(左)(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする古性優作(左)(撮影・鈴木正人)

KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする古性優作(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、ガッツポーズする古性優作(撮影・鈴木正人)

いつもなら、まばたきするほどの時間で駆け抜けられるはずの56・4メートルが、果てしなく長く、遠かった。「ゴールがけえへん(来ない)、けえへん、けえへん。あれ?」。ファンの歓声が耳に届く。ふと我に返ると目の前に栄光のゴールラインが見えた。普段は派手なパフォーマンスをしない古性が、右手を、そして両手を上げてファンをあおり、喜びを爆発させた。ヒーローは、オレだ!! と。


KEIRINグランプリを制し、シャンパンファイトする古性優作(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、シャンパンファイトする古性優作(撮影・鈴木正人)

会心のまくりだった。「脇本(雄太)さんのおかげでG1を取らせてもらったので、自分の力でも(タイトルを)取れると証明したかった。自分の力を、本当に、一滴も余すことなく出せた」。2段駆け態勢の関東の真後ろ、4番手を確保すると、最終2角であっさり前団をのみ込んでみせた。番手から出る宿口も、人気の平原も止まって見えるほどのまくりは、1人で挑んだ「近畿の機動型」としてのプライドだった。


KEIRINグランプリを制し、賞金ボードを掲げる古性優作(撮影・鈴木正人)
KEIRINグランプリを制し、賞金ボードを掲げる古性優作(撮影・鈴木正人)

 
 

GP初出場で優勝は、第1回の中野浩一を含めて史上12人目。大阪勢としては史上初のGP制覇だ。日本競輪選手会の大阪支部長でもある古原勝己常務理事(55)は「G1を勝つにも、いきなりじゃなくて1歩1歩、着実に段階を踏んできた。あいつの中で、しっかり計画通り積み重ねてきたと思う。今後10年はそう崩れない。村上(義弘・博幸)兄弟みたいに、長く活躍してくれるはず」と目を細めた。


表彰式を終え、ガッツポーズで引き揚げる古性優作(撮影・鈴木正人)
表彰式を終え、ガッツポーズで引き揚げる古性優作(撮影・鈴木正人)

来年は王者の1番車のユニホームと赤いパンツを身に着けて戦場に向かう。「(GPは)1人じゃ心細く感じた。来年は自分の力で、近畿がいっぱい走れるように」。4734人とは思えない熱気あるファンの前で、そう誓った。

18年の当地G3優勝インタビューで、古性は言った。「年末またここに帰ってきます」と。あれから3年。約束は果たした。【山本幸史】