日刊スポーツ新聞社制定「第37回ボートレース年間三賞」4部門の受賞選手らが、あらためて喜びの声、今年に懸ける意気込みを寄せてくれた。

殊勲賞の馬場貴也(38=滋賀)は「グランプリに出場すること」と明確な目標を掲げた。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は中止となった。

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殊勲賞に初めて輝いた馬場貴也は22年をあらためて振り返り「今後のボートレース人生において重要な1年でした」とその心境を話した。

SG常滑ダービー優勝戦の鮮烈な差し切り勝ち、SG大村グランプリ・ファイナルでは大外6コースから追い上げて2着。また下関、戸田の2つのG1周年を制覇する活躍だけでなく、敗戦の中からも大きな学びがあった。1月の芦屋、4月の宮島ではともに優勝戦1枠で敗退した。「これらの敗戦があって、SGダービーの優勝につながったと思う」。

夏場には思わぬ不振の期間があった。それでも「レース、調整への取り組み方はブレなかった」ことが1年を通しての活躍につながった。また、ダービー優勝戦でイン菊地孝平を差し切ったハイパー・ターンも、「もっとターンを追求したい」とさらなる技術向上、精度アップへ怠りない。

イン戦は、馬場のグランプリ初戦となったトライアル2nd1回戦でも「負け」を経験した。しかし「悔しい部分は確かにあった。でも大舞台でなかなか経験できることではない。自分を成長させたと思います」。3日後のファイナル2着はその証しと言える。

今年の目標は「まずグランプリに出場すること」と明確だ。そのためにレースのグレードを問わず「自分らしい強いレースを心がけていきます」と言い切る。

そして最後にいつも応援してくれるファンに向けて、こう話した。「たくさんのご声援をありがとうございます。ファンの声援があるから今の僕があります。みなさんとともにボートレースを楽しみながら盛り上げていきたいと思います」。

どんなレースでも目いっぱいの最強支部長は、今年もてっぺんめがけて突き進む。

◆馬場貴也(ばば・よしや)1984年(昭59)年3月26日、京都府生まれ。03年11月に三国でデビュー。04年3月のびわこで初勝利。初優勝は07年5月のびわこ。G1優勝4度。SG優勝は3度。22年10月常滑SGダービーで優勝。168センチ、54キロ。血液型A。

◆日刊スポーツ新聞社高田誠代表取締役社長 ボートレース三賞が37回目を迎えることができたのは、日本モーターボート競走会、BOATRACE振興会をはじめ関係者のご協力のおかげです。受賞された4選手には心からお祝い申し上げます。遠藤エミ選手の女子初のSG優勝は最大の話題だったと思います。その遠藤、馬場、新開、白井選手には22年の成績を超える活躍を期待しています。

◆ボートレース三賞とは 日刊スポーツ新聞社が86年に創設した。公営競技の三賞ではもっとも歴史があり、殊勲、敢闘、技能に特別(主に女子から選出)の4部門がある。

【殊勲賞】1節で優出した6選手にポイントを与える。17年までSG優出ポイントは8競走すべて同じだったが、18年から王者決定戦であるグランプリ優勝を100に。クラシック、オールスター、メモリアル、ダービーの4大競走Vを70にアップして集計。これらの合計点で決定する。

【敢闘賞】年間連対(1、2着)回数を争う。グレード競走、一般戦に関係なく、どのレースの連対も同じ価値とする。連対回数が同じ場合は1着回数の多い選手を優先する。

【技能賞】殊勲賞のようなポイント制ではなく、スタート力、ターン技術、ファンへのアピール度など選手の個性に着目する。

【特別賞】主に女子選手の優秀者を選出する。

◆選考委員 ▼東京 沢畠功二、中川純、窪寺伸行、木村重成、古村亮、湯田坂賢一、野島成浩 ▼西日本 吉富康雄、町田達彦、草川太郎、鎌田優、津波謙次、井筒靖明、山田敏明、浅田和則、神田成史、川尻将志、奈島宏樹、北條直治、東和弘、中嶋聡史、安井雅彦、栗原ひろ人、土居恒久、工藤浩伸、田中大樹、平田英治、前原一樹、迫信晴、山崎千郷、渕上知、中森亮、中牟田康、馬場勲、浦田由紀夫