日刊スポーツ新聞社制定「第36回競輪年間三賞」は新型コロナウイルス感染対策のため、今年も表彰式は行われなかった。そこで、日刊スポーツ評論家の中野浩一氏が、殊勲賞の脇本雄太(33=福井)に直撃インタビュー。脇本は、グランドスラムへの決意を口にした。

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中野 脇本君、日刊三賞の殊勲賞の感想を。

脇本 本当にうれしく思うし、緊張する1年が続くのかなと思います。

中野 昨年、一番印象に残ったレースは?

脇本 以前の僕なら、ダービー優勝。でも、それに近いレースをKEIRINグランプリ(GP)で果たすことができたので、やっぱりGPですね。

中野 今年、対戦相手は何とかしないと、って思うよね。

脇本 (相手が)束になったらさすがにしんどいので(苦笑い)。何かしらの変化は求められると思うので、古性君と戦略を立てたいですね。

中野 でも、そういう相手がいるからこそ、モチベーションが保てるのでは?

脇本 そうですね。力づくで勝負するのも1つの手だと思うし、相手が諦めるまで戦い続ける気持ちがないと、トップに立ち続けるのは不可能だと思うので。

中野 見ている方は、脇本がいじめられるのを見たい(笑い)。それに対して、やり返すのを見せてほしいけど。

脇本 やり返しているつもりですけど、たまにはじかれてしまうので…。

中野 奈良G3は2日目から途中欠場したけど、次の全日本選抜はどう。

脇本 リハビリも進んで、以前の状態に戻りつつある。しっかり調整して、G1に挑みたいです。

中野 1年間、全勝でいくのかと思った。

脇本 全勝したい気持ちはあるんですが、なかなかスケジュールがハードだったりするので、我慢しながら戦いたいです。

中野 全勝はなかなかいないからね。おれは着外ゼロが目標だったけど、脇本は全部1着ってのはどう。

脇本 いやあ…ハードルが高いです(笑い)。

中野 今年の目標を。

脇本 直近のG1全日本選抜で優勝すること。今年はグランドスラム(残りは全日本選抜と競輪祭)を狙っていきたいです。

中野 今年の活躍を期待しています!

◆日刊スポーツ新聞社高田誠代表取締役社長 競輪三賞が36回目を迎えることができたのは、JKA、全国競輪施行者協議会をはじめ関係者のご協力のおかげです。受賞された4選手には心からお祝い申し上げます。3大レースを優勝した脇本選手の活躍は特筆すべきものでした。その脇本、新田、古性選手には競輪界のトップとしてのさらなる活躍を、柳原選手にはガールズグランプリ連覇を期待しています。

◆競輪年間三賞 日刊スポーツ新聞社が87年に創設した。1年間(1~12月)の競走を対象として、活躍した選手の中から殊勲、敢闘、技能賞、ガールズ最優秀選手賞を選定し、表彰する。日刊スポーツ新聞社の東京、西日本両本社の競輪担当記者と評論家らで構成される三賞選考委員会が、受賞者を選定。表彰状と賞金が贈られる。