サガン鳥栖はJ1新記録の開幕7試合連続無失点が懸かる。2日のセレッソ大阪戦も無失点に抑えれば、96年の横浜フリューゲルスがマークした開幕6試合連続のJ1記録を更新することになる。開幕からに限らなくても、14年の浦和レッズが10~16節に達成した7試合連続無失点のJ1記録に並ぶ。


◆J1の連続試合無失点(★は開幕からの記録)

▽7試合連続

浦 和 14年第10~16節

▽6試合連続

清 水 93年第2ステージ第3~8節

横浜F★96年第1~6節

鳥 栖★21年第1節~継続中

▽5試合連続

名古屋 21年第2節~継続中

※5試合連続は他に15チームが記録


今季の鳥栖はGK朴一圭(31)の存在感が光る。前所属の横浜F・マリノスでは19年にJ1優勝。20年10月に期限付き移籍で鳥栖に加入し、今季から完全移籍となった。鳥栖での出場16試合は全てフル出場でチームは7勝8分け1敗。負けたのは昨年11月の仙台戦(0-1)だけというデータが、その存在の大きさをさらに際立たせる。

Jリーグ発表のトラッキングデータ(走行距離)でも、1試合におけるGK歴代トップ3を朴一圭が独占(発表は15年以降)。横浜時代の最長は7・46キロだったが、上位の3試合はいずれも鳥栖加入後に記録している。1位は今季3月10日の仙台戦(5-0)でマークした8・19キロ。鋭い反射神経で相手の決定的なシュートを防ぐだけでなく、広い守備範囲で最終ラインの背後のスペースまでカバーしていることがよく分かる。

今季は開幕から540分無失点を続け、1試合90分換算の失点数である「GK防御率」は通算0・97点(4747分出場、51失点)まで良化。広島GK大迫敬介の0・98点を抜いて歴代3位に浮上した。

本人は無失点で引き分けた前節の福岡戦後に「6戦連続無失点は正直なんとも思わないです。チームが勝った上で、無失点記録を伸ばしたかった」と話した。朴一圭がいれば鳥栖は負けない。今度は勝って記録更新なるか注目だ。

【石川秀和】


○…連続試合無失点記録においてクローズアップされるのがGK。J1記録である7試合連続無失点を達成した14年の浦和も西川周作が大活躍した。新記録を樹立した14年7月23日の徳島戦では試合終了の笛がなると、間髪入れずにゴール裏からは「西川コール」が起こった。93年のシーズン中盤に6試合連続無失点を記録した清水はシジマールが奮闘し、Jリーグ草創期を盛り上げた。開幕6試合連続無失点の96年横浜Fは元日本代表の楢崎正剛が自陣ゴール前に立ちはだかった。

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)