21-22年シーズンの欧州各国リーグが大詰めを迎える中、オランダ1部リーグではAZアルクマールのDF菅原由勢(21)が主力として公式戦全44試合に出場中だ。

菅原由勢
菅原由勢

今季のチーム公式戦で全試合に出場を続ける欧州主要1部リーグの日本選手は21歳の菅原だけ。開幕から国際大会を含めた公式戦に44試合連続でピッチに立ち、MF小野伸二(現J1札幌)がフェイエノールト時代の01-02年シーズンにマークしたオランダ1部リーグの日本人最多出場記録にも20年ぶりに並んだ。

欧州リーグ(EL)の前身であるUEFA杯で優勝に貢献した当時22歳の小野はリーグ戦など7試合の欠場があったが、菅原はここまで不出場が1試合もなく、残る公式戦はリーグ戦の4試合。国際大会に出場してチームの公式戦が40試合以上あった中で全試合出場となれば、欧州主要1部リーグの日本選手では初めてとなる。

J1名古屋から移籍3季目の今季、背番号は26から2に変わった。右サイドバックのレギュラーとしての期待の表れで「勝手に2番になっていたので、そこにチームの信頼を感じる」と話していた。「全試合に出ることは大前提」と、ここまで累積警告(現在3枚)による出場停止もなく、過密日程の中でもタフに活躍。右ウイングとしても出場するなど、プレーの幅をさらに広げている。

今季のオランダ1部リーグ戦で開幕から全30試合出場は菅原を含め16人。持ち味のクロスはリーグ5位の107本を数え、アシストも3回マーク。ディフェンシブサードでのタックル成功数はチーム1位の28回と、攻守両面で欠かせない存在になっている。直近の23日ヘーレンフェイン戦でも正確なクロスで好機を演出。鋭い出足で相手のパスをインターセプトするなど2-1の逆転勝利に貢献した。

今年1月に21歳以下の月間最優秀若手選手に贈られる「ヨハン・クライフ・ベストタレント賞」を受賞。3月にはクラブ公式戦通算100試合出場を達成した。オランダ杯で4強入りし、欧州カンファレンスリーグでも決勝トーナメント進出に貢献。リーグ戦では5位につける。

昨夏の東京五輪で代表メンバーを外れ、日本代表のW杯アジア最終予選でも招集外だった。それでも21歳の若武者はオランダの地で実戦を通して急成長。たくましさを増している。

菅原由勢(2018年10月11日)
菅原由勢(2018年10月11日)

〈欧州主要1部リーグの日本人公式戦シーズン最多出場〉

50試合(欠場3)中村俊輔(セルティック=スコットランド)06-07年

50試合(欠場12)酒井宏樹(マルセイユ=フランス)17-18年

48試合(欠場7)鎌田大地(Eフランクフルト=ドイツ)19-20年

47試合(欠場7)川島永嗣(スタンダール=ベルギー)13-14年

46試合(欠場10)香川真司(ドルトムント=ドイツ)15-16年

45試合(欠場7)南野拓実(ザルツブルク=オーストリア=)18-19年

44試合(欠場7)小野伸二(フェイエノールト=オランダ)01-02年

44試合(欠場3)中田浩二(バーゼル=スイス)06-07年

44試合(欠場18)南野拓実(ザルツブルク=オーストリア)17-18年

44試合(欠場6)長谷部誠(Eフランクフルト=ドイツ)18-19年

44試合(欠場2)伊東純也(ゲンク=ベルギー)21-22年

44試合(欠場0)菅原由勢(AZ=オランダ)21-22年