新潟が6年ぶりのJ1復帰を決めた。今季の平均ボール保持率はリーグ最高の60%超。同最多となる455本のシュートを放ち、最多71ゴールを奪う。パス成功数は約2万3000本を数え、リーグで唯一2万超。1本1本、ボールを大事につなぎ、初昇格を決めた03年以来となるJ1への扉をこじ開けた。
来季はさらなる厳しい戦いが待ち受ける。19年前は鋭いカウンターを武器にしたが、反町康治監督(現日本サッカー協会技術委員長)が率いるチームは昇格1年目の04年に大苦戦。当時は2ステージ制で第1ステージを16チーム中14位で折り返した。ただ、翌年からJ1のチーム数増加に伴い、自動降格がなかったのは救いだった。
当時、平均のボール保持率はリーグ最低で40%台の試合も多かった。「前半は40%程度だったが、後半からは自分たちから仕かける回数も増え、そこから60%近くまで巻き返す時間帯もあった」。反町監督は試合中に修正できた部分などを選手に分かりやすく伝えるため、具体的な数字を用いて説得力を持たせた。そうした積み重ねが実を結び、2巡目の対戦となった第2ステージで巻き返しに成功。年間10位に順位を上げた。
松橋監督が率いる今季はフィールド選手26人全員が出場して20人がゴール。個の能力だけならブラジル人アタッカーに象徴されるようにJ1初昇格時の方が高かったかもしれない。だが、チームとしてのまとまりは今の方が上ではないか。そうした一体感を具体的な数字で示すことはできないが、期待感は高まる。
近年の新潟は16年に吉田達磨監督を招いてパスサッカーを極めようとし、その翌年には三浦文丈監督が原点回帰として堅守速攻のスタイルを取り戻そうとした。右往左往しながら、スペイン人のアルベルト監督を経て、今のスタイルにたどり着いた。60%か40%か-。戦い方はどうあれ、選手が100%の力を発揮してこそ、J1の舞台で戦い続けることができる。【石川秀和】




