天皇杯2回戦が今月21日、全国各地で開催されます。J1も登場し、元日決勝に向けた戦いが本格的に始まります。私はJFLのホンダFCに注目しています。昨年はJ2のFC岐阜と松本山雅FC、J3グルージャ盛岡のJリーグ勢3クラブを破って16強入り。全国に「ホンダ旋風」を巻き起こしました。

 今年もいきなり注目の一戦を迎えます。2回戦の相手はJ1ジュビロ磐田。静岡県西部地区に本拠地を置くクラブ同士の一戦は、日本リーグ時代に「天竜川決戦」と呼ばれていました。現在はカテゴリーが違いますが、オールドファンにとっては「ヤマハ対ホンダ」の構図。会社の威信を懸けた伝統の一戦だと言えます。ホンダFCの井端博康監督(42)は「多くの社員の方も見に来てくれる。やるからには勝利を目指して真剣勝負を挑みます」と決意を語っていました。

 天皇杯ではよく番狂わせが起きます。今年も1回戦で国士舘大がJ3ブラウブリッツ秋田を破る波乱がありました。リーグ戦とは違い、トーナメント戦の天皇杯は必ず勝負が決します。緊張感のある延長戦、PK戦を見られるのも醍醐味(だいごみ)です。さらに、天皇杯は出場機会が少ない選手が活躍できる貴重な場。この先、日本サッカー界をけん引するであろう逸材を見られるのも楽しみの1です。

 プロアマ問わず、真の日本一を決める大会が天皇杯。一発勝負にかける選手の気迫や緊張感はリーグ戦にはない独特の雰囲気があり、サッカーの面白さが詰まっています。今年はどんなドラマが生まれるのか-。

全チームの奮闘を期待しながら、追っていきます。


 ◆神谷亮磨(かみや・りょうま)1985年(昭60)8月28日、静岡市清水区生まれ。幼稚園からサッカーを始め、高校は東海大静岡翔洋(旧東海大一)でプレー。08年入社。担当は11、12年にJ2磐田、13、14年にアマチュアサッカー、15年から清水。現在はJ3沼津などを担当。