「現場発」、このコラムの名前通り、現場からお届けしています。オラ! 今回は中米メキシコ、パチューカからこんにちは。みなさん、お元気ですか。

 本田圭佑選手を追い掛け、日本から直行便でメキシコ市(メキシコシティ)へ。そこから車で約1時間半の都市、パチューカに滞在しています。

 小さないい街です。標高は2400メートル。到着からなぜか、ボンヤリしてしまい、ずっと眠い。これはきっと時差ぼけのせいではなく、高地のせいだと思います。日本と14時間のきつい時差と、毎日格闘し、仕事に励んでいます。

 夜の1本道は危ない、夜間のタクシー乗車は厳禁などと、現地で出会う方に心配し忠告をいただきました。幸い、今のところ平和に過ごしていますが、欧州や中東とはまた違う、独特の雰囲気です。

 触れ合うメキシコ人は総じてみな、明るくていい人。「オラ!(やあ)」と笑顔であいさつしていれば、言葉はまったく通じなくても、ほぼ大丈夫!? です…。メキシコでの私は日本であこがれていた?? “オラオラ系”です。

 みんな、おおらかです。ショッピングモールで、同行してくれている敏腕カメラマンが、かごに山盛りになった日本円で約6000円、半額以下の有名メーカーのスニーカーのたたき売りを見つけ、サイズを探していました。

 お気に入りを発見。購入を決意したようでしたが、戻ってきた手元に靴はありません。どうしたんですか? 「全部左だった。右はないんだって」。右はどこへいったのでしょう…。もし、右だけ売ってあるお店を見つけた方は、教えてください。

 ビールはコロナ、食事はタコス。これ、一般的なイメージだと思います。でも、どうやら1番人気はもっと安い、国民的ビールのテカテ。グラスにライムを絞り、飲み口に塩をつけたソルティードッグ風で、抜群に軽~い飲み口です。

 タコスも、米国式のタコベル的なものではなく、小ぶりなやわらかい皮にいろんな具を乗せ、サルサソースや香草を好みでトッピングして食べます。

 確かにおいしいのですが、後味は、全部あのお菓子の「ドンタコス」風味。『本場メキシコの味、ドンタコスったら、ドンタコス』--。あのCMの通り。ドンタコスは偉大なり、です。

 最後に、たくましい本田選手は誰よりも元気そうです。クラブは厳重警戒で、連日、広大な敷地での非公開練習。姿を見たのは滞在1週間で、たった3度。うち2度はクラブハウスのガラス越しという始末。声を聞いたのは会見での1度だけです…。

 ただ、表情はいつになく明るく、ラテンの雰囲気は合いそうです。

 会見では、気になる生活環境について聞かれ「どうですか、思っていたより良くないですか? サッカーに集中できる環境が整っている印象。特段心配はないです。モスクワにも4年住んでましたし」と頼もしい回答。活躍を期待しても、良さそうです。

 最後に、この時期は雨期。前触れもなく激しい夕立のような雨が降ってきます。応援にいらっしゃる方は、折りたたみ傘の準備をお忘れなく。

 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本サッカー協会やJリーグなどを担当している。