北海道コンサドーレ札幌の初タイトル獲得に期待したい。9日ルヴァン杯準決勝第1戦ガンバ大阪戦(パナスタ)が控える。初めて4強入りしたクラブは、史上初の頂点を目指している。しかし、それには気候面と移動面のハンディキャップの克服にかかっていると感じる。

前日の8日、札幌市内での練習時の気温は15度だった。雨も降っていた。試合会場がある大阪・吹田市内の同時刻の気温は25度。北海道外の人にとっては信じられないかもしれないが、札幌の選手たちはすでに練習時、ウインドブレーカーやネックウオーマー、手袋を着用し、すっかり冬の装いだ。寒さでコンディション調整も難しくなる季節に突入している。10度も差のある気候への順応も鍵となる。

G大阪とは4日リーグ戦で対戦したばかり。同じ相手との3連戦だ。チームは5日に札幌へ戻り、オフなしで迎えた8日の練習後、再び空路で大阪へ移動した。移動には時間と体力を奪われる。だが、中4日、大阪に滞在したままの調整は選ばなかった。FWアンデルソン・ロペス(26)が「家族と過ごす時間が好き」と話すように、移動が大変でも、選手にとって練習に集中でき、リラックスできる時間と環境を優先したからだ。一方、G大阪は5日はオフだった。万全な体調で臨むことになる。

札幌にとってディスアドバンテージがあるようにも見える。ただ、宿命でもある。これまでも同じような苦境を残り越えてきている。9月のイベントで「とにかくファイナルに駒を進め、カップを掲げるために全力を尽くしたい」と宣言していたミハイロ・ペトロビッチ監督(61)が、サポーターに新しい景色を見せてくれると信じている。【保坂果那】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)

◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、北海道札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。今月よりツイッターを開始。「日刊スポーツ保坂果那」(@k_hosaka_nikkan)で札幌情報をつぶやいています。