18日、国際親善試合ガーナ戦(30日、日産ス)の日本代表メンバー27人が発表された。

 日本代表の西野朗監督(63)が初めてのメンバー招集で西野流を打ち出した。ハリルホジッチ前監督が冷遇した本田、岡崎、香川、いわゆる「ビッグ3」に加え、青山まで招集。所属クラブで出場機会がない井手口、浅野も呼んだ。GK以外のフィールドプレーヤーのポジションをあえて固定せず、柔軟な姿勢で、短期間でワールドカップで勝てるチーム作りに取り組む。

 政権交代を印象付けるには十分の会見だった。前体制では、1時間超が普通、独演会だった会見は約30分とコンパクトに。リストはさらりと紙を配布しただけ。発表がプレゼン形式だったこれまでとは違った。すべてがダンディー西野流。最終メンバー23人を「基本的にはこの27名の中から。ガーナ戦がロシアへの第1歩であることは間違いない」。絞り込みへ、27人も手元に呼んだ。

 「ビッグ3」がそろうのは昨年8月の招集以来。本田については、万全なら「ご存じの通り、代表に欠かせない」。けがを抱える岡崎の評価はさらに高く「替えが利かない」と事実上のロシア行き当選通知だ。一方でクラブの発表より先に、呼びたかった今野と小林のけがを公表するなど、周囲がやきもきするほど正直モード全開だった。1次リーグ初戦のコロンビア戦へ「正直絵が描けない」とも、ぶちまけた。

 ポジション分けも、西野流全開。メンバー表にDF8人、MF12人、FW4人とあったが「GK以外は外してほしい」と異例の注文をつけた。オシムジャパンで求められた、複数ポジションをこなす「ポリバレント」という言葉も使い「たくさんオプションを考えて選手に伝えたい」。複数のシステムとポジションを使い分ける、カメレオン戦術をイメージさせた。

 本来は23人をズバッとこの日に発表したかった。けが人や状態が整わない選手が多く、やむなく27人に膨らんだ。予備登録35人にけが人が早くも2人出て、戦う前からコマ不足に。いきなり久保の追加招集の可能性もにおわせるなど、なりふり構わずいく。「ぜひやってもらいたい」と長谷部の主将は続投させる方向だが、アキラ流100%で突っ走る。【八反誠】