日本が2試合を残し、難なくワールドカップ(W杯)2次予選突破を決めた。記者が独自の視点で分析する「Nikkan eye」では、アジア全体の強化が大事だと、俯瞰(ふかん)的な視点で日本の強化を見すえた。
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文句なしの予選突破。2次予選は相手国より、コロナと闘った印象が強い。それほど、対戦国とは力の差があった。主将の吉田麻也もミャンマー戦後、力の差のある相手ばかりとの戦いが続いた2次予選の方式に疑問を呈していた。
この展開は、日本が望んだものではない。98年W杯フランス大会で1次リーグ敗退後、日本協会は代表チームの強化方針を、あらゆる方面から探った。当時の作業部会は「国際マッチデーの7割はアジアとの戦いになる。だからこそ、アジア全体が強くならないと、日本も強くならない」との意見を出した。
国際親善試合は年間、10試合程度組むことができる。ほとんどはW杯予選やアジア杯の予選など、FIFAやAFCの公式戦が入り、欧州や南米の強豪との対戦機会は限定される。しかもタイトルがかかる試合ではなく、相手の本気度にも疑問符が付く。そのため日本にとって、アジア全体の強化は是が非でも必要だった。
日本協会は、AFCとの協議などを経て、アジアのサッカー途上国に指導者を派遣することを決めた。02年W杯日韓大会後から、アジア各国にボールなどの用具を送ったり、指導者を派遣してきた。各国が投票権のあるFIFA理事選をにらみつつも、本来の目的はアジア全体のレベルアップを目指すものだった。
くしくも今回、同組に入ったキルギスとタジキスタンには10年前から指導者を送っているし、ミャンマーにも5年ほど前から派遣済み。モンゴルには女子代表の各年代に日本人指導者がいる。日本協会の田嶋幸三会長は以前、こんなことを言っていた。「アジアが強くなるほど、日本がW杯に出場する可能性は低くなる。しかし全体が強くならないと、アジアはいつになってもW杯で優勝できない」。
長い歴史の中で、W杯を制したのは欧州の5つと、南米の3カ国だけ。オランダやフランスなどの強豪が欧州予選で敗退したり、ブラジルやアルゼンチンが南米予選通過に苦しんだこともある。A代表だけではなく、各年代の代表がレベルの高い相手とタイトルやW杯出場を懸けて全体の7割の日程を消化しているからこそ、チーム力が上がる。
日本協会は、50年までにW杯で優勝することを目標にしている。30年後の話だが、現段階で実現可能だと思う人は、ほぼいないだろう。日本協会幹部は言う。「これから30年で、日本がアジア予選を通過できないほど、アジア全体が力をつければ、日本は30年後に優勝できると思っている」。
日本のライバルと言える国は韓国とオーストラリアに、中東の強豪イラン、サウジアラビアくらいか。このトップ集団が10カ国以上に増え、日本のW杯行きが危うくなってからが、本当の世界との勝負になるはずだ。【盧載鎭】

