なでしこジャパン(FIFAランキング11位)が1-2で強豪スウェーデン(同3位)に競り負け、2大会ぶりの4強進出はならなかった。2点を追う後半42分に途中出場のMF林穂之香(25=ウェストハム)が反撃のゴールを決めるなど池田太監督(53)の采配はさえたが、あと1歩及ばなかった。世界中に驚きと感動を与え、旋風を巻き起こしたなでしこたちは胸を張ってピッチを去る。

   ◇   ◇   ◇

なでしこの快進撃がついにストップした。東京五輪準々決勝でも敗れたスウェーデンへのリベンジはならなかった。池田監督は「我々の攻撃の時間をもう少し長く作りたかったですけど、後半しっかりと戦う姿勢を見せて(1点を)返してくれた。最後まで諦めずに戦ってくれたことを誇りに思います」と選手たちをたたえた。

指揮官は後半、先発した左ウイングバック杉田に代えて遠藤、1トップ田中美のところに植木、ボランチ長野を下げて林と、次々にカードを切った。スウェーデンのAIKでもプレー経験のある林のゴールで1点差に迫ったが、惜しくも試合終了。「池田マジック」発揮は少しだけ遅かった。

ミスや不運が重なった。長野がハンドでPKを献上。植木は自らがもらったPKを失敗し、藤野のFKはバーを直撃。跳ね返ったボールが相手GKの背中に当たったがゴールの中には飛び込まなかった。主将のDF熊谷は「結果的に警戒していたセットプレーから2失点。もう少し後ろ(守備陣)が踏ん張れれば、もうちょっと前(攻撃陣)にチャンスもできたのかなと思う」と敗戦の責任を背負い込んだ。全員でカバーし合う、なでしこのチームカラーが表れていた。

11年ドイツ大会で澤穂希や宮間あやらを擁して世界一に輝いた。その後、女子サッカーブームはバブルのように膨らみ、そしてしぼんでいった。観客動員は伸び悩み、今大会も直前までテレビ放送すら決まらないほどだった。

しかし世間から注目されない中でも、着実に「種」はまかれていた。長谷川や杉田、長野は14年U-17W杯を制し、長野や宮沢、遠藤ら現なでしこの多くの選手たちが18年U-20女子W杯優勝を経験した。なでしこ人気が低迷していた時も、世代別代表を含め、選手たちはひたむきに努力してきた。今大会の快進撃はまさしくその積み重ねが生んだものだった。

池田監督は試合後の円陣で「これからもなでしこジャパンは続いていくという話をしました」。道はまだまだ続く。歩む先には来年のパリ五輪が待っている。

○…準決勝へコマを進めたスウェーデンはこれで5度目のW杯4強(91年、03年、11年、19年、23年)。これは米国の8度に続く史上2位の記録で、あらためて女子スウェーデン代表の強さが浮き彫りとなった。対戦成績は日本の5勝3分け7敗となった。