浦和が入念な戦術確認と、選手間ミーティングで、試練の5連戦への準備を完了させた。11日のホーム鹿島戦に向け、10日に午後練習で最終調整。試合前日ながら、11対11のミニゲーム形式で、時間をかけて戦術を確認した。
9、10日も同様の形式で、最終ラインでのパス交換で相手のプレスをかいくぐり、機をみての縦パスをスイッチとして攻撃する戦術を徹底。ペトロビッチ監督は珍しく何度もプレーを止め、時には怒声も上げながら指示を重ねていた。
「5連戦が始まるので、この先は戦術の確認がなかなかできない」と同監督。浦和はACLで決勝トーナメントに進出した関係で、他クラブよりもリーグ戦消化が遅れている。そのため鹿島戦を皮切りに、今後G大阪、広島、東京、神戸と、中2~3日での5連戦をこなすことになる。
試合の間は、疲労回復を主眼においた軽めの調整になる。だから連戦の前に、しっかりとチーム戦術の根幹を確認しておく必要があった。
攻守の早い切り替えで、ボール再奪取を繰り返し、相手を敵陣に押し込む「ミシャ・プレス」は成熟の域に入っている。あとは相手が高い位置からのプレスで対抗してきた際や、引き気味の守備ブロックを固める相手を引き出さないといけない際の対応ができれば、攻撃サッカーは1つの完成形をなす。
そのために、ペトロビッチ監督はあえて3日続けて、負荷がかかる激しい戦術練習を課した。そして柔和な笑顔を封印して、何度も怒声を上げた。
選手たちもチームが大事な局面を迎えていることは自覚している。9日には主将MF阿部、ムードメーカーのDF槙野がペトロビッチ監督に申し出て、選手だけのミーティングを開催した。15分程度だったが「もう1度サッカーに集中しよう」と声を掛け合い、緊張感を高めた。
筆頭株主の三菱自動車と、横浜の親会社である日産自動車と資本業務提携を受け、9日にJリーグが浦和に持ち株比率の変更などの対策を求めたこともある。槙野は「こういうピッチ外の出来事が、チームの調子に影響しては残念。みんな大丈夫だと分かってはいるのですが、念には念ということで、自分たちができることに集中しようと確認しました」と説明した。
ペトロビッチ監督は、過密日程について聞かれると「いろいろ見方はあるが、私はおそらくみなさんとは違う見方をしています」と切り出した。
「ここまで12試合で勝ち点27。つまり、最大勝ち点の75パーセントを取っているということ。これは優勝できるという数字であると言っていい」
これは年間で勝ち点76に達するペース。昨年広島がつくった年間勝ち点記録74を上回る数字だ。浦和は開幕以来、ACLとの掛け持ちを続けながら、このペースで勝ち点を稼いできた。週2戦の難しい日程だけでなく、オーストラリアなどへの長距離移動も要した、過酷な連戦だった。
ACL決勝トーナメント1回戦への進出のしわ寄せで、今後も他クラブより厳しい日程になるが、それでも勝ち点を稼げる力は備わっている。ペトロビッチ監督は「目の前の相手を倒していく。それが我々のできることです」と目を光らせた。



