サッカーのヘディングと卓球を組み合わせた形の新スポーツ「へディス(HEADIS)」の体験イベントが22日、東京スポーツ・レクリエーション専門学校(江戸川区西葛西)で行われ、スペイン2部タラゴナの元日本代表DF鈴木大輔(27)がゲスト参加した。

 06年にドイツの大学生レネ・ウェグナー氏が考案したもので、現在10カ国の約8万人に広がっている新興球技。8月20日に日本初の公式大会「第1回全日本ヘディス選手権」を今回と同じ会場で開催することが決まり、鈴木は「ヘディングを得意にしている人間としては、うずきますね」と笑顔で紹介した。

 ヘディング×テーブルテニス=ヘディス。発祥から10年を超えた新競技を本格的に普及させようと、主催者側は報道陣への体験タイムを用意していた。ルールも簡単で気軽に楽しめそうなスポーツ。勧めに応じて試させてもらった。

 卓球と同じように台を挟んで向かい合い、頭だけで打ち合った。直径16センチの専用ゴムボールは柔らかく、衝撃が少ない。サッカーも卓球も体育の授業程度しか経験がない自分でも、身構えることなく頭を合わせられた。

 ただ、サッカーボールと比べて柔らかすぎるため、力を伝えづらい。慣れるまでは敵陣にボールを飛ばせなかった。思い切り強く首を振れば、すぐ手前の自陣に弾んでしまう。すると、インストラクターからアドバイスが飛んだ。「もっと力を抜いてください」。大学時代はアメリカンフットボール部に所属し、ヘルメット同士を「おりゃー」とぶつけ合うことしかできなかった自分には、難しい感覚だ。しかし、素直に従ってみると、ようやく前に飛ぶようになり、ラリー(らしきこと)が続くようになった。体幹や首を固めて合わせれば、うまく前に飛ばせた。

 台に体が触れてもOKのため、スマッシュは台に大きく身を乗り出して打つ。全身を使ってボールを打ち返すダイナミックな競技性が売りで、カメラマンから「台に乗ってみて」とリクエストされたが、この日の朝5時まで暴飲していたボディを台上にフライングさせることはできず…。最後まで抑揚のない打ち合いに終始したが、慣れてくればもっと楽しめそうだ。

 鈴木が「サッカー経験あるなしにかかわらず、エクササイズとして女性も楽しめると思う」と話したように、ダイエットにもいいかもしれない。もちろん、トップ選手のハイレベルな動きは公式YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/user/HeadisSports)で確認できる通り。競技人口が少ない分だけ日本代表になれる可能性は高く、気軽な競技性に「非常に興味を持った」という鈴木ともども、普及の可能性を感じました。【木下淳】