ベガルタ仙台MF中野嘉大(24)が、J1ホーム3連勝がかかる今日25日のセレッソ大阪戦で、移籍後のリーグ戦初先発が濃厚だ。定位置確保のチャンス到来に「インパクトは大事かなと思う」と目を輝かせた。

 悔しさをかみしめた。中野は「プロが負けるのは情けない。チームの雰囲気も良くない」。21日の母校筑波大との天皇杯2回戦で、中野は2得点を挙げたが、チームは敗戦した。22日には渡辺晋監督(43)がクラブ公式SNSで動画メッセージを配信したほどの異例事態。「自分らの責任なんで」と表情を曇らせた。

 ただ、中野は公式戦2戦連発中と絶好調で、イレブンの信頼を勝ち取りつつある。24日のミニゲームで、GKシュミット・ダニエル(25)はスローイングで何度も中野にボールを預けた。シュミットは「たまたまです」と笑った後に、「本当にヨシ(中野)はボールを取られないので安心感がある」。ビルドアップに欠かせない働きを期待する。

 中野は「C大阪は4バック。ミラーゲームにならない」と空いたスペースを突くつもりだ。仙台にとって、10年のJ1再昇格以降、J1では3勝7分けと相性のいいC大阪だが、FW柿谷曜一朗、MF清武弘嗣(ともに27)らタレントぞろいで現在2位に位置する。中野は「上位に勝てば自信もつくと思う。リーグ戦で決めてスタジアムの一体感を味わいたい」。重苦しい1週間を過ごしてきたサポーターに、ビューティフルサンデーを届ける。【秋吉裕介】