就任1年目の12年にリーグ優勝に導き、13年は連覇。15年もチャンピオンシップを制し、過去5年で3度のリーグ優勝と輝かしい実績を残した。今季に向けても「いい練習といい積み上げができた」とチーム力に自信を示していた。しかし中盤を束ねる青山、最終ラインの水本と千葉と主軸が30代。世代交代が進まず、開幕前からけが人が続出。浅野、ドウグラスが去った前年に続き、今季も佐藤が名古屋、ピーター・ウタカが東京に移り、17試合で15得点。シュート決定率はリーグ最低の7分1厘となっている。失点もリーグワースト3位タイの30失点とバランスを欠いた。J2降格が現実味を帯びる中、決断を下した模様だ。

 監督としてJ1通算92勝40分け55敗。織田社長によると、今後もクラブ運営に携わることを求め、森保監督も「即答はできないが、クラブ発展のための協力は惜しまない」と話しているという。

 ◆森保一(もりやす・はじめ)1968年(昭43)8月23日、長崎市生まれ。長崎日大高から87年に広島の前身マツダ入り。98年に京都へ1年間期限付き移籍し、再び広島で01年までプレー。03年に仙台で引退。J1通算293試合15得点。日本代表で「ドーハの悲劇」も経験。国際Aマッチ35試合1得点。04年に広島の育成コーチに就任。U-19、20日本代表や広島、新潟のコーチを経て12年にクラブ初の生え抜き監督に就任。