15日に埼玉スタジアムで行われる「明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017」浦和レッズ-ボルシア・ドルトムント(ドイツ)戦の前日会見が14日、試合会場で行われ、浦和MF阿部勇樹(35)、ペトロビッチ監督(59)、ドルトムントMF香川真司(28)、ピーター・ボス監督(54)の4人が出席した。

 6月7日に開催された日本代表の親善試合シリア戦で左肩を脱臼した香川は「ケガは順調に回復しています。良いトレーニングも出来ていますが、明日の試合はおそらく出場できないと思っています」と欠場を明言した。

 それでも「2年前、(川崎)フロンターレと日本で試合をしましたし、僕自身は日本でプレーすることを誇りに思っている。浦和は日本でも1、2を争うビッグクラブだし、スタジアムの雰囲気もヨーロッパに匹敵する。浦和と埼玉スタジアムで対戦することは幼い頃からの1つの夢だった」。無念の表情を浮かべながらも、6万人以上の観衆が予想される一戦を、楽しみにしている様子だった。

 ドルトムントの選手で獲得したい選手を問われたペトロビッチ監督からは「もちろん香川選手。サッカーの世界は何が起こるか分からない。明日の試合が終わったあと、もしかしたら浦和に残るかもしれない」と冗談を言うなど、終始にこやかな表情だった。

 阿部とボス監督はジェフ市原(現J2千葉)時代のの99年第2ステージに、一緒にプレーした間柄だ。当時は高校3年生で、2種登録で出場していた阿部は「トレーニングではどんな時も全力でやる姿を見ていました。食事に連れていってくれて話もしてくれた。ピッチの内外、オンとオフの表情が変わる。今の自分にすごく影響を与えてくれた存在です」。ボス監督からも「当時から良い選手だったが、キャリアを積んで、さらに良いプレーヤーになった」と評価された。ペトロビッチ監督同様、浦和から獲得したい選手を問われたボス監督から「当然、阿部」のひと声。だが「残念ながら、もう若くない」と“獲得オファー”を即座に取り下げられるなど、お互いが旧交を楽しんでいた。【鎌田直秀】