高校1年生FW久保建英(16)を擁するFC東京ユースが浦和レッズユースを2-0で下し、2年連続4度目の優勝を果たした。

 試合を決めたのは久保だった。0-0で迎えた後半34分。久保はMF小林幹(18)がボールを持った瞬間「必ずパスが来る」と信じ左サイドからペナルティーエリア内に走り込んだ。信じた通りパスが来ると左足を振り抜いた。豪快にネットに突き刺さり、連覇へ大きく前進する先制点。ガッツポーズして仲間の元へ駆け寄り、喜びを爆発させた。直後の後半39分には、先制点をアシストした小林幹がPKを決め追加点。勝利を引き寄せた。

 この日、久保が放ったシュートはわずか1本だった。試合後、シュート数を聞いた久保は「1本と聞いてびっくりしました」と話し「1本で決めきるのは初めてだと思う。練習から1本目が勝負と言われてますし自信になったしうれしい」と振り返った。

 久保の一問一答は以下の通り

 -試合を振り返って

 久保 2年連続で優勝できたことはとてもうれしいです。

 -先制点の場面は

 久保 小林選手からノールックでいいパスが来て落ち着いて流し込むだけだった。去年から、小林選手とはいい関係が築けていた。出てくると信じて走りました。

 -大きな喜びのアクションだった

 久保 得点のちょっと前に相手に嫌な位置でのFKがあったり、非常に苦しい時間帯に決められたし、勝ちに1歩近づいたことで喜びが大きかった。

 -シュート数は1本

 久保 今聞いてびっくりしたんですけど。前半からどんどん仕掛けていこうとイメージを持っていた。前半は、1人抜いた後にちょっと余裕ができてしまって、そこで(浦和のDF)橋岡選手に体を入れられたりとか、抜いた後にスピードが上げられていなかった。後半はスペースができたら、そこにスピードを持って行こうと思っていた。なかなかうまくいかなかったけど…。自分はここ最近、結果がすべてだと思い知らされた時間が長かったので。今日は1本でもしっかり決められた。これまで自分は何本もシュートを打って1点はあったけど、1本で1点は初めてだったと思う。1本目で決まるというのは、よく練習でも「1本目が勝負」と言われている中で、とてもいい収穫で自信になった。

 -結果がすべてと思い知らされたのは?

 久保 J3だったり、自分の中ではやれていても、結果で示せていなくて。周囲から「焦ってるんじゃないの」と言われたり。試合を見に来てない人とかは、インターネットで結果を見て「久保決めてないな」と見ると思う。みんなに喜んでもらえるようなプレーヤーになりたいと思っているので。そういう意味では、これに懲りずに結果を出していきたい。

 -去年に比べて成長した部分は

 久保 去年は決勝の舞台で20分ぐらいしか出ていない。今回はフル出場させてもらって、そこは明らかに時間の部分で成長している。あと、去年は先輩たちに支えてもらって、つくってもらったチャンスで自分が仕掛けていた。今年は自分がチャンスをつくるという部分も、途中から意識してやってきた。その中でなかなか、点を取れない試合もありましたけど、最後に取れて良かった。