ジェフユナイテッド千葉FW清武功暉(26)が、後半ロスタイム3分に劇的な決勝ヘッドを決めて、レノファ山口を土壇場で振り切り、チームに大きな勝ち点3をもたらした。

 1点リードの後半42分、DFが自陣ペナルティーエリア内で相手選手を倒してPKを献上し、同44分に同点とされた。今季、ホームのフクアリでは7勝5分けと無敗を続けていた。後半ロスタイム3分だった。右サイドを抜け出したMF為田大貴が上げたクロスを、中央のFW指宿洋史が頭で落とし、オーバーラップしたDF近藤直也が折り返すと、そこに跳び込んだ清武が頭で合わせてゴール右に流し込んだ。

 清武が両手を広げて歓喜のダッシュをして、ピッチに大の字になると、選手はもちろんスタッフまでが折り重なるように飛び付いた。「足がつりそうだったので、しんどかったんですけど、ベンチもみんな出てきて喜んでくれて良かった」と笑みを浮かべた。

 ゴールについて聞かれると「ラッキーと言えばラッキー。薄く当てようとはしたんですけど、うまく決まった」と胸を張った。頭でつないで決めた形については「タメ(為田)もいいボールを上げたし、ドゥーさん(近藤)が上がってきて、最後に折り返すのは、はっきりしていた。いいボールを落としてくれたので、うまく流し込めた。意外と落ち着いて見えていた」と振り返った。

 前半はFW船山貴之とともに再三、山口ゴールに肉薄したがゴールを割ることが出来なかった。「ボールを止められなかったし、連係でうまくいかなくて孤立する場面が多く、個人のところに問題がありチームとして機能していなかった」。ハーフタイムでファン・エスナイデル監督から「もう1回、リセットして集中し直せ」とゲキを飛ばされ、意識を変えてミスをしないよう気を付け、攻撃にリズムが出来たことがゴールにつながった。

 5日の徳島ヴォルティス戦に続く連勝で、昇格プレーオフ圏6位の横浜FCと勝ち点42で並び7位に浮上した。大混戦が続くJ2で、勝つと引き分けるのとでは大きな違いだった中、自らのゴールで勝ち点3をもぎ取った。16日に首位湘南ベルマーレをホームで迎え撃つ。清武は「だんご状態から抜け出すためには引き分けでも痛い状況だった。湘南には絶対負けられない」と必勝を誓った。【村上幸将】