ベガルタ仙台MF奥埜博亮(27)が、8試合ぶりに勝ち点3をもたらした。サンフレッチェ広島に勝利したのは、14年5月以来3季ぶり。6月4日のホーム甲府戦以来となる勝利を、サポーターに届けた。

 0-0で迎えた後半6分。FW西村が右足で強烈なシュートをペナルティーエリア手前中央から放った。広島GK中林がかき出したが、こぼれ球を奥埜が冷静に左足で詰めた。「あういうシーンは何が起こるか分からない。なるべく詰めることを意識している」。ストライカーの高い予測能力が、8試合ぶりの先制ゴールを生み出した。その後は攻守のバランスを保ちながら、主導権を渡さなかった。

 奥埜は14日に28歳の誕生日を迎える。1日早く“誕生日弾”を決めた。試合後、報道陣から祝福の言葉を掛けられ、「少しでも幸せになれたらいい。試合に勝つことも自分のゴールも。もっといいことが起こるような1年にしたい」と抱負を語った。

 3月18日のアウェー柏戦以来、18戦ぶりのゴールだ。ホームでは15年10月横浜戦以来の得点となった。「ホームでも取れていない意識があった。次につなげたい」と量産を目指す。久しぶりの勝利でチームは順位を1つ上げて、12位に浮上した。「サポーターも勝ちが欲しいというのは感じ取っていた。(サポーターなど)すべての人がうれしいと思う」と安堵(あんど)した。