アルビレックス新潟のDF大野和成主将(28)が2日、実戦復帰した。新潟聖籠スポーツセンターで、いわきFC(福島県リーグ1部)と45分を3本こなす練習試合の3本目からピッチに登場。45分間、最終ラインで声を出し続けた。6月2日に損傷した右膝内側側副靱帯(じんたい)を手術。リーグ残り10試合になって、守備の要の1人が復活の兆しを見せた。練習試合は4-0で勝った。

 頼もしい主将がピッチに戻ってきた。大野は練習試合の3本目に、センターバックの左でプレー。最後尾を守り抜き、前線の選手に指示を飛ばし続けた。「意識と体のズレを確認した。行けばよかったと思うプレー。(ボールを)取れたと思うプレーがあった」。それでも45分間、動けたのは大きな収穫。前線への正確なフィードも、何度も見せた。「別メニュートレーニングで走ってきたので体力は大丈夫。もう少しやれた」と、フィジカル面は完全に復調。自信にもなった。

 今季、チームの主将に選出された守備の闘将。開幕戦のサンフレッチェ広島戦から4月8日の第6節サガン鳥栖戦まで、先発フル出場で守備陣の主力を張ってきた。ところが、昨年に1度手術した右膝に違和感を覚え、検査結果は再手術の診断。全治12週間だった。そんな重症を負いながらプレーするほど、主将は強い責任感を持っていた。

 大野は「対人の練習を繰り返していけば、もっとよくなる。そこから次のステップになる」と接触プレーにも、恐れずに取り組んでいくつもりだ。チームは現在、2勝18敗4分けで18チームの最下位。総失点48もリーグワーストで、降格圏から抜け出せていない。そんな状況で、心強い闘将の実戦復帰。「甘さが出ると失点につながる。1(失)点の重みは、増してくる。勝たないといけない」。リーグ最終盤に、心強い男が帰ってくる。【涌井幹雄】