アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝・浦和レッズ戦でショッキングな敗退を喫した川崎フロンターレが、清水エスパルスに快勝し悪夢を払拭した。

 前半14分に直接FKで、MF中村憲剛(36)のキックをDF谷口彰悟(26)が頭で合わせて先制。同25分には、浦和戦でレッドカードで一発退場なったDF車屋紳太郎(25)のアシストからFW小林悠(29)が追加点。後半34分には、途中出場のFW森本貴幸(29)がダメ押し点を決めた。

 浦和戦から先発を2人入れ替えた。MF森谷賢太郎(28)はパスを散らし、FW長谷川竜也(23)は得意のドリブルで仕掛けチャンスに絡んだ。森谷は、連戦で疲弊している仲間を思い「竜也と、走ることでみんなを助けようと話していた」。フレッシュな戦力が勢いをもたらせた。

 悪夢の敗退から中2日。だれもが「今季一番大事な試合」と言い聞かせていた。鬼木達監督(43)は試合後「ACL敗退の後、難しい気持ちで戦った。しっかり結果を出せたことが一番の収穫。全員がチームとして、今日の試合が大事か分かっていた。今までやり続けてきたことが間違っていないこと、成長している姿をサポーターに見せようと声をかけた」と話した。

 最年長のMF中村憲剛(36)も最後まで、スライディングタックルで体を張るなどチームを鼓舞し続けた。中村は「中2日しかなかったし、気持ちの勝負だと話していた。当日は悔しくて眠れなかった選手もいたと思う。でも(中2日で)日数も短いから切り替えるしかなかったし、そこに向かわないとプロではない。衝撃はあったけどリーグは続く。素晴らしいゲームができた」と話した。