ジュビロ磐田は、ホームで勝ち点1を手にした。G大阪に続き、ACL4強進出を決めた浦和レッズに対して今季2勝の「シーズンダブル」を狙ったが、結果は1-1。名波浩監督(44)は「怖がって(全体が)後ろに重くなってしまった。正直、良いゲームではなかった」と厳しい表情で振り返った。

 1点リードの後半34分、必死に耐えていた守備陣の隙を突かれた。ロングボールから浦和FW興梠慎三(31)にDFラインの背後を取られた。頭で放ったシュートは、飛び出したGKカミンスキー(26)の脇を抜かれゴールに届いた。MF川辺駿(22)は「もっと全体的にプレスを掛けていれば…」。7回オフサイドを取られながら、最後まで徹底的にDFの裏を狙い続けた相手に根負けした。

 一方で、収穫もあった。前半21分、MF中村俊輔(39)が放ったFKからの絶妙クロスが、MFムサエフ(28)の先制点につながった。後半39分には、ドイツ3部カールスルーエから加入したMF山田大記(28)が、チームに復帰後初出場。同45分には途中出場のMF松浦拓弥(28)がゴール枠内にシュートを放った。

 名波監督は「山田が出られたこと、松浦の前線の動きだし、浦和相手に(今季)1勝1分けもポジティブだね」と顔を上げた。次節は23日にホームで大宮と対戦する。1つ上の5位横浜とは勝ち点5差。大宮はJ1残留を懸けているが、構わず上を目指して勝ちにいく。【前田和哉】