川崎フロンターレは「シルバーコレクター」を返上できなかった。MF中村憲剛は表彰台で歓喜に沸く勝者の姿を目に焼き付けた。開始47秒の失点が重くのしかかった。割り切って1点を守ろうとするセレッソ大阪の守備を崩せず、力負け。ラストパスやシュートの精度も欠き、中村は「自分も含めて、決めきるところで冷静にならなくてはいけなかった。悔しい」と言葉を絞り出した。

 03年にクラブに加入した中村は、今回で7度目の準優勝となる。「今回みたいなケースも初めてで…。どれだけ積んでいかないといけないのかというのが正直ある」と、やり切れない思いをにじませた。足りなかったものを問われると「それが分かっていたら優勝してますし。今回に関しては(ミスの失点を)挽回できなかった」。3試合を残して首位鹿島と勝ち点4差の2位につけるリーグ戦を見据え「今日の負けで終わったわけでないし、ここまでやってきたことがなくなるわけでない。ここからどれだけ切り替えられるか」と前を向いた。