静岡は4強が出そろった。清水桜が丘は科学技術に1-0。準決勝の浜名-清水桜が丘は12日、袋井・エコパスタジアムで行われる。

 清水桜が丘が、セットプレー1発で科学技術をねじ伏せ、3年連続の4強入りを決めた。前半7分、左CKからFW渡辺唯人(3年)が反応し、ヘディングシュート。ドンピシャで合わせた一撃でネットを揺らし、喜びを爆発させた。公式戦の得点は9月15日のプリンスリーグ東海の中京大中京戦以来約3カ月ぶり。決めた本人も「やっと取れました。久しぶり過ぎてゴールの感覚を忘れていたほどです」と胸をなで下ろした。

 幸先よくリードを奪ったが、苦しい展開だった。渡辺は「ずっと我慢の時間が続きました」。後半17分にはMF白井海斗主将(3年)がPKを失敗。突き放すチャンスを逃し、カウンターからあわや失点の場面もあった。攻撃陣の核として出場している渡辺も責任を感じ、試合後には体を張った守備陣に感謝した。「今日はDFの選手に助けられました」。

 今年から10番をつけている。同校伝統のエースナンバーはMF白井がつける8番だが、10番をつける選手もチームの顔だ。待望のゴールを奪い、渡辺は吹っ切れた様子で次戦への意気込みを口にした。「準決勝が楽しみです。次も点を取って勝ちます」。生みの苦しみを味わった点取り屋の表情に力強さが戻った。