静岡は4強が出そろった。昨年準優勝の浜松開誠館は、今年県総体準優勝の清水東に1-0で競り勝った。準決勝の静岡学園-浜松開誠館は12日、袋井・エコパスタジアムで行われる。

 浜松開誠館は、MF岡島温希(はるき=2年)の値千金の決勝弾で2年連続の4強に駒を進めた。0-0のまま、後半ロスタイムに突入。前日3日の決勝T1回戦で延長、PK戦の末に勝利した清水東イレブンは、疲労の色が濃くなっていた。

 対して後半開始から投入された岡島は、パワーを蓄えていた。左サイドからドリブルを仕掛け、DF3人の間を縫ってゴール前へ。その勢いで右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。「相手が疲れてたので、ドリブルで抜きやすかった。自分が仕掛けた方が、ゴールの確率が高いと思っていました」。チームとしては、後半のシュートは岡島の1本のみと苦しみながら劇的勝利を挙げた。

 岡島は、決勝T1回戦の加藤学園戦(2-0)にも途中出場したが、無得点だった。青嶋文明監督(49)から「あとはゴールにパスするだけだ」と声を掛けられ、それを強く意識していた。チームを救う1点に、指揮官も「持ち味を出してくれた。次もエコパで見せてほしい」と期待した。

 昨年の県大会では、決勝で敗れた。岡島は1年ながら途中出場しており、「悔しさは忘れられません」と言った。初の全国大会出場まであと2勝。抱えた思いを晴らす時が来た。