富士市出身のSC相模原GK川口能活(42)が、アスルクラロ沼津を完封した。

 0-0で迎えた後半29分、清水商(現清水桜が丘)の後輩でもある沼津MF前沢甲気(24)のヘディングシュートをビッグセーブするなど、元日本代表の存在感を発揮した。試合はスコアレスドローだったが、チームは16試合ぶりの無失点。川口は「本当は勝ちたかったけれど、無失点は良かった」と充実した表情を見せた。

 川口にとって、東部地区での試合は特別な思いがあった。この日は両親、清水商時代の恩師、大滝雅良監督(66)もスタンド観戦。試合入場時のエスコートキッズは、川口が小学校時代に所属していた富士市の鷹天SSS(当時は天間SSS)の子どもたちが務めた。敵地で受けたサプライズ演出に「こんなうれしいことはない。感無量です」。試合後は子どもたちのサインに快く応じ、記念撮影では肩を組んで満面の笑みを見せた。

 リーグトップ58得点の沼津をシャットアウトし、健在ぶりを証明した42歳。最後は優勝争いをする沼津に「温かいサポーターがこれからの躍進につながると思う」とエールを送り、声援に笑顔で応えながら会場を後にした。【神谷亮磨】