J2町田ゼルビアの相馬直樹監督(46)と選手、クラブ関係者が4日、東京・町田市役所を訪れ、石阪丈一市長に今季の報告を行った。

 町田は今季、16年の7位を大きく下回る16位でシーズンを終えた。16年と同じ53得点を挙げながら、得点と同数の失点53は9増えた。終盤は苦戦が続き、9月2日のロアッソ熊本戦から11月19日の最終節・湘南ベルマーレ戦まで8分け3敗と11試合、未勝利。特にホーム戦の成績が悪く、7月16日の水戸ホーリーホック戦以降4分け5敗、4カ月も勝てないままシーズンを終えた。ホームで勝てなかったことについて、唐井直GMが「きれいに分析できると苦労はしないですけど」と説明すると、MF李漢宰主将(35)も「ホームでは雨が多いことを含め、魔物がすんでいる」と苦笑いした。

 石坂市長は、前日3日にJ1昇格プレーオフを勝ち抜いた名古屋グランパスと8月16日に対戦し、3-4で敗れたホーム戦を思い出の試合に挙げた。「負けても面白かったのが名古屋との試合。私がそう言っちゃいけないし、嫌みではないけれど、3点も取った。あの試合は勝てると思った。あれだけ頑張り、何点取られても、ひっくり返してやるぞ、というのが伝わってくる。ああいうのが良いんですよね」と評価した。

 丸山竜平強化部長は、ホームで勝てないことに関して、選手1人1人と話し合ったことを明かした。「1年の振り返りを選手として、なぜホームで勝てないのかを1人、1人、問わせていただいた。もちろん、答えは…やっぱり、選手は勝ちたい。何か要望は? と言うと、やっぱり選手はグラウンドのことを口をそろえて言う」と語った。

 町田は20年のJ1ライセンス取得という目標を掲げ、相馬監督の続投も決まっているが、現状は

 (1)J1はホームスタジアムは1万5000人以上の収容人数が必要だが、ホームの町田市陸上競技場の収容人数は1万328人

 (2)年間を通じて常時使用できる天然芝、もしくは人工芝のピッチ1面、屋内トレーニング施設がない

 (3)クラブハウスがない

 など、J1クラブライセンス取得に必要な規定を満たしていない。現在、町田市の小野路グラウンドで練習を行っているが、同グラウンドは人工芝で、天然芝のグラウンドを求める声は選手の間からも出ている。

 一方で町田市は、ホームの町田市陸上競技場を練習のために貸し出すこともしている。丸山強化部長は、「陸上競技場もトレーニングに貸していただいている。本当にありがたい」と感謝した。

 この日は選手会長と副主将を兼任するMF井上裕大(28)、チーム最年長37歳のGK高原寿康も出席した。【村上幸将】