日本サッカー協会(JFA)最高顧問の川淵三郎氏(81)が18日、都内で行われた「シーバスリーガル ゴールドシグネチャー・アワード授賞式」に出席した。

 川淵氏は「JFAこころのプロジェクト」と称して、さまざまな競技の現役選手やOB、OGらが学校へ出向き、子どもたちに夢を持つことの大切さなどを伝える「夢の教室」の活動が評価されたことを喜んだ。スピーチでは「授業には涙が出るような話がたくさんあって、ぜひそれをまとめて本にしようと思っている。幻冬舎から出版してもらえないかと思いまして、お礼の言葉としたいと思います」とアピール。同賞の特別審査員を務めた幻冬舎の見城徹社長から「本のこと、しっかり考えます」と返答され、笑顔をみせた。

 授賞式後には、特別審査委員長を務めた作詞家の秋元康氏とトークセッションも行った。秋元氏からは「川淵さんは太陽みたいな方で、そばにいるとみんなが成長する。今もお話を聞いていて非常に楽しい。やはりそういうことが人を育てるのだとすると、存在するだけで社会貢献です」と絶賛された。

 照れた様子をみせていた川淵氏だったが、東京五輪へ向けた各スポーツ界の話になると顔色を変え「強化費がもらえなくなる東京五輪以降は各競技団体がポシャっちゃう。ガバナンスをしっかりやれよって言うけど、間抜けな協会がありますよね」と切り出した。

 禁止薬物混入騒動で揺れる日本カヌー連盟については「もってのほかですよね。ああいうことがあって、誰も責任とってない。幼稚園レベルですよ」とぶった切った。

 川淵氏の怒りの収まらない様子に秋元氏は「川淵さんと接していると、無関心ではいられない怒りを常に感じている。すてきだなと思うのは、これだけメディアのみなさんがお集まりの中でも、明日の見出しになりそうなことをお話ししてくださいますよね。ネットが盛り上がりそうな」と冷静に話して笑わせていた。

 同賞は、スコッチウイスキーの「シーバスリーガル」と雑誌「GOETHE(ゲーテ)」(幻冬舎)によって11年に設立された。ビジネスの成果を通して社会に活力を与えると同時に、社会貢献に寄与したビジネスリーダーに贈るもので、今年は川淵氏のほか、LINEの出沢剛社長、アパレルブランド「ジェラートピケ」などを手がけるマッシュホールディングスの近藤広幸社長が受賞した。