ベガルタ仙台の渡辺晋監督(44)が今キャンプ初となるカミナリを落としイレブンを鼓舞した。チームは1日、宮崎県延岡市の西階陸上競技場でセットプレーを中心に調整を行った。ウオーミングアップを終え、ボールを使った練習に入った直後、渡辺監督は「スイッチ入れろよ!」と突然激高。氷雨の降るピッチ上に張り詰めた空気が漂った。

 「練習が始まって28分もたっているのにスイッチが入っていないよ。柏はACLで3-0で勝っている。こんなんじゃ相手にやられるぞ!」。試合にあてはめると、アップ開始から28分後はキックオフ直前の時間帯。本番を見据えて、あえて開幕戦の相手を引き合いに出し選手を鼓舞した。

 練習開始時の気温は2度。近接する山間部の高千穂では6センチの積雪を記録するなど、最高気温23度あった沖縄糸満キャンプから移動したばかりの選手にとって過酷な練習環境となった。FW阿部拓馬(30)は「一生懸命やっていましたが、ハッパを掛けられました。もっとプロとしての意識を持ってしっかりと取り組んでいきたい」と気を引き締めていた。今日2日の練習試合、ヴェルスパ大分戦では立ち上がりからスイッチを入れて臨む。【下田雄一】