浦和レッズが、横浜F・マリノスから今季移籍したキュラソー代表MFマルティノス(27)の移籍後初ゴールと、FW李忠成(32)の今季初ゴールで名古屋グランパスに快勝した。

 浦和は前半32分、左サイドを攻め上がったMF武富孝介の左クロスを、ファーサイドに入り込んだマルティノスが左足で流し込んだ。待望の移籍後、初ゴールを喜ぶマルティノスに、浦和の選手たちが抱きつき、歓喜の輪が出来た。

 一方、名古屋はこの日、来季の新加入が内定した特別指定選手のFW榎本大輝(21=愛知・東海学園大4年)が先発し、公式戦デビューを果たした。榎本は身長163センチと小柄ながら、前線3枚の一角に入るとスピーディーなドリブルを随所に披露。前半19分、得意のドリブルで浦和守備陣をかわして中央を突破。ペナルティーエリア手前で浦和の元日本代表MF阿部勇樹に止められたが、浦和ゴールに肉薄した。後半6分にも、スピードあふれるドリブルで浦和陣内に切り込んだが、ペナルティーエリア手前でDF2人に挟まれ、倒された。

 浦和は後半20分、追加点を挙げた。相手のパスを奪った阿部が画に描いたようなスルーパスを中央に通すと、抜け出した李がGK武田洋平をかわし、無人のゴールに左足で軽く突くように蹴り、柔らかく流し込んだ。李は右手人さし指にキスして天に突き上げると、浦和サポーターで真っ赤に染まったスタンドにガッツポーズで応えた。

 30分先に試合が始まったガンバ大阪がサンフレッチェ広島に3-2で勝ったため、この試合に負けると敗退が決まる名古屋は、後半22分にFW深堀隼平に代わり、元ブラジル代表FWジョーを投入。長身192センチのジョーと163センチの榎本の“デコボコFWコンビ”に期待がかかったが、得点を挙げることは出来ず1次リーグ敗退が決まった。

 浦和は勝ち点を10に伸ばし、1次リーグC組で首位に立った。16日の最終節では6月のプレーオフ進出をかけて、勝ち点7で3位に転落した広島とホームで対戦する。