清水エスパルスが4ゴールでホーム2連勝を飾った。FW北川航也(21)がPKで先制点を決めると、後半はヘディングで追加点を挙げた。J1ではシーズン自己最多タイとなる5得点目を決め、チームを3試合ぶりの白星に導いた。チームの連敗は2で止まり、順位は11位から9位(暫定)に浮上した。

 清水FW北川が、ゴールへの強い執念を見せた。前半23分にPKを獲得。ジャッジが出た時点でMF金子翔太(23)がボールを持っていたが、北川が歩み寄って提案した。「ここは公平にじゃんけんでしょ」。本来は、反則を受けた選手がキッカーを務める。だが、DFフレイレ(28)が倒されたため、FWクリスラン(26)を含めた3人でPK前の「勝負」が行われた。

 結果は、チョキを出して勝った北川が権利を得た。「一発で決まったので、これは神様からのアシストだと思いました」。短い助走から放たれたシュートはゴール左隅へ。本人いわく「冷静に決められた」先制弾で勢いに乗り、2点リードで迎えた後半7分には、ヘッドで追加点。昨年8月以来の1試合2得点を挙げた21歳は誇らしげだった。

 J1では自己最多タイとなるシーズン5点目をマーク。プロ4年目ながら、清水の新エースとしての地位を確立しつつある。今月上旬には、個人契約を結ぶプーマ社から限定カラーのスパイクを提供された。今後、世界で活躍が期待される若手選手6人だけが着用できるモデルで、日本で選ばれたのは北川だけだ。

 チームの順位は暫定9位に浮上し、ワールドカップ中断前の公式戦15連戦も残り2試合となった。北川は「ゴールを取れないとFWとは言えない。次も常に狙っていきたい」。天性のゴールハンターが、覚醒し始めた。【神谷亮磨】