ルヴァン杯1次リーグ(L)最終節が今日16日に行われる。同L突破へ勝利が絶対条件の清水エスパルスはアウェーで北海道コンサドーレ札幌と対戦。11日の練習中に鼻骨を骨折したFW鄭大世(34)が強行出場でチームを勝利に導く。

 手負いのエースがチームを1次リーグ逆転突破に導く。清水FW鄭は15日、静岡市内で完全非公開練習に参加した。11日の練習中に鼻骨を骨折して以降は初の全体練習に合流。特注のフェースガードをつけて臨んだ実戦形式メニューでは、ヘディングで1得点を挙げたという。「怖さあるけれど、痛みは全くない。ゲームに入れば視野の狭さも気にならなかった」。骨は折れても、心は折れていない。

 現在チームは5試合を終えてB組3位。8強進出を懸けたプレーオフ(PO)進出(各組上位2チーム)へは、清水が勝利して同2位の磐田が引き分け以下でなければならない。次のステージに進むためには他力だが、「みんなのモチベーションも高い。絶対に勝つ」と闘志をみなぎらせた。

 ルヴァン杯では5試合で2得点をマーク。だが、今季のリーグ戦は控えに回る機会が多く、12試合で1得点にとどまっている。4-2で大勝した12日のリーグ湘南戦は骨折の影響で欠場。ポジション争いをするFWクリスラン(26)とFW北川航也(21)の2人が得点して歓喜する姿を、スタンドから見守るしかなかった。鄭は「今年はサブを経験して、公式戦に出られるありがたみをあらためて感じた。試合がすごく待ち遠しい」。今年4月の対戦時には札幌から1得点。ゴールへのイメージはできている。試合当日もフェースガードを着用する予定。「バットマン・テセ」が、不屈の精神でゴールに向かう。【神谷亮磨】