横浜F・マリノスはMF扇原貴宏(26)が鮮やかな無回転FKで決勝点を挙げ、1次リーグ突破を決めた。

 1-1で迎えた前半41分にゴールほぼ正面の位置でFKを得ると「練習はしていたので、枠に飛ばそうと思った。しっかり集中していけました」。自信を持って左足を振り抜くと、ボールはGKの手をかすめてゴール左隅へ突き刺さった。「リーグもルヴァンも勝てていなかったので、ホームでしたし、サポーターのみなさんの前で勝ちたかった」と笑顔で振り返った。

 3月のリーグ戦浦和戦でも無回転FKを披露していた。これはGK西川周作の好セーブにあって得点とはならなかったが、ゴールへの感触はつかんでいた。チームには今季FKで2得点を挙げているMF天野純(26)やDF山中亮輔(25)と同じ左利きのキッカーがいる。これに無回転FKを蹴る扇原が加われば、相手にとってセットプレーが脅威となることは間違いない。「距離や角度とか状況によってみんなで(キッカーを)変えていけたら武器になると思う」と手応えも口にした。

 今季就任したポステコグルー監督のもと、リーグ戦では15位と苦しんでいるが、そんな連戦の中でうまく選手をやりくりしながらプレーオフ進出を果たした。ポステコグルー監督は「この大会も大切にしている。いい相手と、あと(最低でも)2試合できることはチームが成長するためにも大事なこと」と喜んだ。横浜は6月2日と9日に行われるプレーオフでDグループ1位の神戸と対戦する。