ジュビロ磐田が、2年連続の16強入りを決めた。アウェーでJ2レノファ山口に4-1。エースFW川又堅碁(28)が、前半16分の先制点を含む2得点の活躍を見せるなど、「1ボランチ」の新布陣が機能した。9月26日の4回戦では、北海道コンサドーレ札幌と対する。

 新システムの磐田が、躍動した。名波浩監督(45)は、ワールドカップ(W杯)ロシア大会による中断期間中に取り組んできた1ボランチを早速、試合で採用。先発の1ボランチにはMF宮崎智彦(31)を配置した。戦前、「2列目の選手が良いタイミングで前を向けるかが鍵」とポイントに挙げていた2列目には、MF松浦拓弥(29)MF上原力也(21)MF田口泰士(27)を起用した。

 指揮官による攻撃力アップの狙いを、選手たちがピッチで体現した。前半16分、FW川又のヘディング弾で先制。同44分には、川又のスルーパスに上原が絶妙なタイミングで抜け出し、冷静に左足で貴重な追加点を決めた。同14分にも、田口が最前線に飛び出すなど思惑通りの攻撃を展開。序盤から主導権を握り、山口を圧倒し続けた。

 2点のリードを奪って前半を折り返すと、名波監督は「もう1点取りにいこう」と選手を後半のピッチに送り出した。ここでも選手が思いに応え、同26分、再び川又が頭でゴールを決めて3点目。同39分には、FKからDF大井健太郎(34)が4点目を決め、敵地での快勝劇を完結させた。

 同ロスタイムに1点を失ったものの、現在J2で3位と好調の相手を4得点で一蹴した。約1カ月ぶりの公式戦で、得点力不足も解消。さらに、18日のホーム鹿島戦で再開するリーグ戦に向け、「1ボランチ」というオプションが加わったことを印象づけた。【前田和哉】