柏レイソルが、FWクリスティアーノ(31)の2ゴールで、V・ファーレン長崎に逆転で大勝し、5月5日のジュビロ磐田戦から続いたホームでの連敗を5で止め、4月25日の浦和レッズ戦(1-0)以来4カ月ぶりに勝った。この日のクリスティアーノの2ゴールで、柏はJ1チーム通算1100得点を達成した。

3連敗中の長崎が前半11分、先制した。FW鈴木武蔵(24)が、右後方からMF島田譲が放った浮き球パスに反応すると、DF2人の間を抜け出し、右足を振り抜いてゴールに突き刺した。リーグ戦では5月12日の名古屋グランパス戦以来10戦、3カ月ぶりの今季5点目を決めた鈴木は、スタンドの長崎サポーターの元に歩み寄り、両手を広げ、胸のクラブのエンブレムを握って吠えた。

ホーム5連敗中と苦しい柏は、左腕にキャプテンマークを巻いたクリスティアーノが、前線で猛烈な走りと気迫あふれるプレーでチームメートを鼓舞し続けた。前半19分、左サイドのFW江坂任がスルーパスに抜け出したが、わずかにタイミングが合わず通らなかった。クリスティアーノは勢い余り看板にぶつかったが、手を上げて周囲に声をかけた。

そのクリスティアーノの気迫、意地が同点弾を生み出した。前半21分、右サイド深くまで切り込んだDF小池龍太が低い弾道のクロスを放り込むと、DFに当たったこぼれ球をクリスティアーノが右足でゴールに押し込んだ。

同24分、クリスティアーノが今度は勝ち越し弾を決めた。小池が上げた浮き球パスを、DFと競り合いながら頭で押し込んだ。クリスティアーノは小池に走り寄り、激しく抱き締めた。

この日は柏DF高木利弥(25)が、長崎の父琢也監督(50)とJ1で初対決した。左サイドバックで先発した高木は後半、父が指揮を執るテクニカルエリア目前でプレーするようになった。すると後半3分、父の目前で高木は中央にボールを持ち込んでペナルティーエリア右に浮き球パスを出した。そこでFW伊東純也(25)がDFと競り合いながら、右足でループシュートを放ち、ゴールに流し込んだ。高木が父琢也監督率いる長崎に引導を渡す3点目を演出した。高木は後半31分、足がつり担架で運び出されDF亀川諒史と交代した。

柏は後半44分、MF手塚康平が左足でFKを決めると、同ロスタイム3分には、後半24分から出場した、ケニア人初のJリーガーとして話題のFWオルンガ(24)が、亀川の左クロスを左足で押し込み、ケニア人としてJリーグ初ゴールを決め、柏が5得点で大勝した。