湘南ベルマーレGK秋元陽太(31)が、16年に在籍した古巣FC東京に11本のシュートを打たれながらも、スーパーセーブを連発して完封し、勝ち点1死守に大きく貢献した。

秋元は前半33分、東京DF太田宏介の鋭いCKをワンパンチではずいた。同41分にはFWリンス、DF室屋成、再びリンスと至近距離で3連続シュートを打たれたが全てはじいた。「あそこは僕のキックミスからなので、自作自演…反省したい」と苦笑いした。

11日の横浜F・マリノス戦に0-1、15日のベガルタ仙台戦では1-4、19日のヴィッセル神戸戦は0-2と、3連敗の中で、リーグ戦はここ2戦、複数失点が続いていた。自身はベンチ入りにとどまったが。22日の天皇杯4回戦・川崎フロンターレ戦も1-3で敗退していた。「DFラインはストレスを抱えて、神経質になった部分もあった。DFラインにしては(完封で)少しはリフレッシュできた」と前向きに捉えた。

鬼のようなスーパーセーブの連発は、MF高山薫、菊地俊介と主軸2人が故障で相次いで戦線を離脱した中、副主将として奮闘し、チームをJ2優勝に導いた17年の鬼気迫る姿を思い起こさせる。同4月9日の東京ヴェルディ戦で相手選手と接触して右手の小指を変形するほど痛め、手術が必要なのを隠して戦い、リーグ戦ではスーパーセーブを連発。優勝が決まった瞬間は号泣した。苦しい時こそ、守護神秋元は一番、光り輝く。

リーグ戦の連敗は3、公式戦の連敗も4で止めたが、チームはJ2とのプレーオフ圏内の16位サガン鳥栖と勝ち点2差の14位と苦境が続く。秋元は「失点0で終われたので、ここがベースだと見つめ直し、続けていきたい。攻守ともに改善は練習でしか出来ない。練習をしっかりするしかない」とチームのメンバーに言い聞かせるかのように言った。【村上幸将】