川崎フロンターレが、9月15日のガンバ大阪戦以来4戦、約1カ月ぶりにMFアンドレス・イニエスタ(34)が先発に復帰したヴィッセル神戸に逆転を許し、一時は2点差をつけられながら、後半20分からの3連発で大逆転勝ちした。

前半11分、川崎FのDF登里享平が左サイドに抜け出したFW知念慶からの折り返しのパスに飛び込んだが、後からきたDFと接触し、PKを獲得。そのPKをFW小林悠(31)が右足で決めた。

4分後の前半15分、ファン・マヌエル・リージョ監督(52)監督の采配後、初めて先発したイニエスタと、FWルーカス・ポドルスキ(33)の一瞬のひらめきから神戸が同点に追いついた。イニエスタがペナルティーエリア右に浮き球パスを上げると、ポドルスキがヘッドで落とした。そのボールを、川崎FのDFエウシーニョがクリアしたが、ボールが目前のDF奈良竜樹の背中に当たり、ゴールに吸い込まれた。

前半28分、神戸が逆転した。中央のイニエスタからのパスを受けたポドルスキが右に出した横パスを受けたFW古橋亨梧(23)が右足を振り抜き、シュートをゴール中央に突き刺した。

後半35分、神戸が3点目を決めた。自陣ゴール前で川崎Fの攻撃を食い止めると、イニエスタがこぼれ球をクリア。受けたポドルスキが猛然と左サイドを駆け上がり、広大に空いた右のスペースに大きくサイドチェンジすると、何とか追いついたMF三田啓貴(28)が、左足で豪快にゴール左にたたき込んだ。

前半43分、川崎Fが1点を返した。MF大島僚太がペナルティーエリア右から出したパスを、中央に走り込んだMF家長昭博(32)が右足でダイレクトに合わせて押し込み、1点差とした。

試合開始1時間前から、ピッチにたたきつけるように降り続いた雨脚が弱くなった後半、川崎Fが持ち前のボール回しで決定機を連続で作りだした。前半7分、MF斎藤学(28)の左クロスを小林が頭で合わせるも、GKキム・スンギュにのビッグセーブに阻まれた。そのこぼれ球を、今度はエウシーニョが右からクロスボールを放り込み、MF中村憲剛が頭で合わせたが、枠を外した。

迎えた後半20分、川崎Fが同点に追いついた。斎藤が左からドリブルを仕掛け、DF藤谷壮をかわすと、左足でまた抜きシュートを放ち、ゴール右隅に突き刺した。

同24分には、ゴール前で家長が出したヒールパスに飛び込んだ大島が、小林とのワンツーからペナルティーエリア内に進入し、押し込んで4-3と逆転した。

こうなると、もう“川崎劇場”は止まらない。後半31分、右サイドを抜け出したエウシーニョが、切り返してDFをかわすと、左足でGKキムのまたを抜き、神戸に同点オウンゴールを許した汚名返上のゴール左隅に決めた。

一方、神戸は三田が後半26分の交代時に、いら立ちからかピッチサイドの水筒を蹴り上げ、イエローカードを受けるなど、未勝利が7に延びた以上に後味の悪い敗戦となった。